ハナハタザオ

 

花旗竿 アブラナ科 ハナハタザオ属

Dontostemon dentatus

絶滅危惧lA類(CR : Critically Endangered)

 

 ハナハタザオ  2012.06.17 茨城県
 ハナハタザオ  2012.06.17 茨城県

 

 アブラナ科の花といえば十字型の4弁花で色は白色か黄色、というイメージが強かったですが、この花は美しい紅紫色をしていました。

 

 山野の日当たりのよいまばらな草地や路傍、海岸の砂地などに生える越年草です。自生地は極めて限られ、なかなか見ることができません。 2007年時点では茨城県、山梨県と広島県で生育が確認されています。 かつては千葉・神奈川・長野・静岡の各県にもいたようですが、絶滅したそうです。 環境省が絶滅危惧1B類に指定しています(近い将来における絶滅の危険性が高い種)。

 

 ハナハタザオ 2012.06.17

 

茎は直立して、高さ15〜50cmになり、ときに分枝します。

 

 ハナハタザオ 2012.06.17

 

 茎にはまばらに白っぽい短毛が生えます。 葉は線状披針形で長さ

2〜8cm、両端は細まり、2〜4対の小さな鋸歯があるか、全縁です。

茎の基部の葉には、短い柄がありました。


 ハナハタザオ 2012.06.17

 

 茎と葉の一部をトリミングしてみました。 葉の両面と縁に

白っぽい毛がまばらに生えます。  葉は主脈がある中央部が

低くなっています。 降雨の際に茎に雨水を集めるような構造

に見えました。 葉の基部に托葉も見えます。

 

 ハナハタザオ 2012.06.17

 

 この自生地は海岸の砂地です。 株数は多いとは思えません

でした。 このような環境は全国にまだたくさん残されている

ように思えるのですが... 絶滅が危惧されるほど数を減らして

しまっているのは、生育するための条件がすべて揃っている

場所が激減しているということなのでしょう。

 

 ハナハタザオ 2012.06.17

 

 茎の先に総状花序をつけます。 花の直径は1cmほど。

花弁は柔らかい紅紫色で、少し濃い色の脈が美しい。

萼片は直立し、長楕円形で長さ3〜7mm。花期は6-8月です。


 ハナハタザオ 2012.06.17

 

果実は線形で長さ2〜6cm。 種子は1列に並ぶそうです。

 

 

2012.06.27 掲載

2012.08.30 環境省レッドリスト2012年見直し版に従い、絶滅危惧カテゴリーを1B類から1A類(危機的絶滅危惧)にランクアップした。

 

 

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コメント: 2
  • #1

    BOGGY (月曜日, 02 7月 2012 08:00)

    おはようございます。
    ハナハタザオ初めて拝見しました。
    アブラナ科の野草は身近に沢山ありますが、ハナハタザオは見たことがありません。
    色付きの花なのですね。
    沢では自生のワサビやクレソンの花も見ますが白花ですもんね。
    先週山室湿原という所でカキランやトキソウを見てきました。
    これからリポートを纏めるところです。

  • #2

    hanasanpo (月曜日, 02 7月 2012 11:13)

    ハナハタザオは薄い紅紫色なので、驚きでした。
    残念ながら生育地が非常に限られ、なかなか見ることができない花になってしまったようです。 国営公園は園芸種で広大な花畑を作ることばかりに精を出さず、在来品種をもっとしっかり守ってほしいものです・・・

    山室湿原、訪れたことはありませんが、素晴らしい湿原のようですね。
    カキランやトキソウ、いいですね~ お花のレポートを楽しみにしています。