ベニチャワンタケ科

 

シロキツネノサカズキモドキ

 

(白狐の杯擬き)Microstoma floccosa var. macrospora

ベニチャワンタケ科 シロキツネノサカズキ属

シロキツネノサカズキモドキ  2011.04.10 新潟県 弥彦山
 シロキツネノサカズキモドキ  2011.04.10 新潟県 弥彦山

 

 新潟県にオオミスミソウを見に行った帰り道、観光の山としても有名な弥彦山に立ち寄りました。 以前山腹でイチリンソウをたくさん見ることができた場所があり、今回も期待しいて行ったのですが、残念ながらイチリンソウは一輪も咲いていませんでした。


 それでも何かいないかと周辺を探していると、朱色の小さいものが見えました。 近づいてみると、小さくとてもかわいいキノコ。 初めて見ました。 キノコは秋に生えるものと思っていたので、こんな早春の雪が溶けたばかりの時期に生えるものがいることが、驚きでした。


 

 このように落ち葉に埋もれかけた朽ち木に生えていました。 この写真には、約30個体写っています。 名前はHiroが「ナントカ...サカズキと言うんじゃなかったかな?」と言っていましたが明確にはわからず、帰宅して図鑑で調べて シロキツネノサカズキモドキ という長い名前のキノコだとわかりました。

 

 

 白っぽい柄があり、横から見ると本当に杯というか、ワイングラスのようです。 祝いの席で朱色の杯でお酒を飲むことがありますが、森のキツネがこのキノコで祝杯をあげている様子を思い浮かべて命名したのでしょうか。

 

 杯の外側には白い毛がたくさん生えています。 和名のシロはここから来たのでしょう。 まだ口を開いていないものと、大きく開いたものが並んでいました。

 

 モドキと付くからには、モドキがつかないものもいるはずです。 調べたら、やはり母種としてシロキツネノサカズキというキノコがありました。 違いは、お椀状の部分の縁にある細く白い毛が本種は星状に裂けるが、シロキツネノサカズキは裂けないそうです。 しかしとても良く似ているので、本種とは顕微鏡で胞子の大きさを比べないとわからないそうです(本種の方が胞子が大きい)。

 

 ただし、シロキツネノサカズキは夏に発生するのに対して、本種は早春が発生時期です。 4月上旬に見ることができたので、本種はシロキツネノサカズキモドキとしました。

 

 

 大きさのイメージを掴んでいただくために、1円玉と並べて撮影してみました。 カメラのレンズからキノコの開口部の距離と1円玉の距離が少し違いますが、開口部の直径はおよそ12〜13mmほどでしょうか。 小さいキノコですが、この色は鮮烈で、記憶に残ります。

 

 

2011.04.20 掲載

2021.06.30 本文を一部修正

 

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