6月5日 南アルプス
6/5・6の土日は好天に恵まれそうだった。 その分人が出るから、ハンパに早起きして出発しても中央高速の渋滞に巻き込まれるのは間違いない。 そもそも早朝出発は苦手で何度も失敗しているので、前夜に出発し途中で仮眠をとることにした。 深夜の高速はガラガラに空いていて... と思っていたら、けっこう車が走っている。
SA/PAの駐車場はどこも半分ほどは埋まり、終夜営業の食堂で何組もの若者のグループがラーメンを食ったりしている。 深夜の1時、2時に、である。 これも高速料金が「どこまで行っても千円」になったためだろう。 少し前までSAで終夜営業の店なんてほとんどなかったと思うのだが。
双葉SAはあまりに人と車が多くワサワサしていたので、八ヶ岳PAまで車を進めた。 PAなので狭いだろうと期待していなかったが思いのほか広く静かだった。 場所を確保して後部にセットしてあったシュラフに潜り込み、すぐ爆睡。
![なんという蝶? 蛾かな?](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=210x1024:format=jpg/path/sf8a8d00d654c7ec1/image/i8aca14b13704510f/version/1292858042/%E3%81%AA%E3%82%93%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E8%9D%B6-%E8%9B%BE%E3%81%8B%E3%81%AA.jpg)
翌朝は高速を下り、山間の気持ちのよい国道を走り抜け、脇道に入って間もなく最初の目的地であるバス乗り場に到着。 広い駐車場があった。 次の発車時刻まで余裕があったので周辺の道路沿いをブラついてみる。 ギンラン、ナツトウダイ、ヒレアザミなどが見られた。 その他未同定のもの数種。 見慣れぬ蝶(蛾?)もいたが、いまだ名前がわからず。
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林道バスに乗り、終点(といっても2つめの停留所)で下りる。 ここから花散策しながら歩いて下る計画だ。 復路はどこでもバスに乗れる。 この時の乗客は我々、単独登山のお兄さんの3人のみ。 バスの運転手さんはとても感じの良い方で、景色が良い場所や花の咲くスポットで気軽にバスを停めてくれた。 その時見ることができた、ムシトリスミレ。
その名の通り食虫植物であるが、スミレではなく、タヌキモ科の植物。 一見スミレと似ているのでその名が付いたと思われるが、花弁は合着しておりスミレとはまったく異なる。 葉や茎にある腺毛から粘液を分泌し虫を捕らえ、消化・吸収する。 触るとペトペトする。
バスの終点に着いた。 ここから歩き出す。 バスはもう少し後の時期になると、もっと上まで行けるらしい。
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![イワセントウソウ (岩仙洞草) セリ科 イワセントウソウ属](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=238x1024:format=jpg/path/sf8a8d00d654c7ec1/image/id9b9fe1db4472015/version/1521189663/%E3%82%A4%E3%83%AF%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%88%E3%82%A6%E3%82%BD%E3%82%A6-%E5%B2%A9%E4%BB%99%E6%B4%9E%E8%8D%89-%E3%82%BB%E3%83%AA%E7%A7%91-%E3%82%A4%E3%83%AF%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%88%E3%82%A6%E3%82%BD%E3%82%A6%E5%B1%9E.jpg)
周辺は非常に緑が豊かで、何か花がいそう。 さっそく林道脇を探索する。 すぐにこの花に目が行った。 白い小さな花を見てセリ科だろうと思った。 しかし見たことがない花だ。 高さ10cmほどで全体にとても繊細な感じ。 細い花柄の先に白い5弁花がつく。 後で調べたら、イワセントウソウとわかった。 お初の花だ。
イワセントウソウ(岩仙洞草)
セリ科 イワセントウソウ属
深山の日影の湿った苔の上などに生える多年草。根生葉は2回3出複葉で小葉は深く切れ込む。茎葉は普通1つで、線形の羽状複葉。根生葉とはまるで違う形なのが特徴。 花は茎頂に複散形花序を1個つける。
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![ミヤマスミレ](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=227x1024:format=jpg/path/sf8a8d00d654c7ec1/image/ia72935275cb43461/version/1496375124/%E3%83%9F%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%83%9F%E3%83%AC.jpg)
すぐ近くで紫色がやや濃いスミレを見つけた。 スミレが苦手な我々にはすぐに名前がわからない。 見たことのある気もする。 「こんな深山だから、ミヤマスミレかね〜?」などと言っていたが、後で調べたら本当にミヤマスミレだった。 過去の写真を調べてみたら野反湖でしか撮っていなかったので、出会えてよかった。
ミヤマスミレ (深山菫)
スミレ科 スミレ属
地上茎のないスミレ。湿り気のある落葉樹林下に多い。北海道では低地でも見られるらしい。このあたりでは標高1000m以上の場所にいるようだ。図鑑には鮮やかな紅紫色とあったが、今回見れたものはやや青味がかった紫色だった。側弁の基部は無毛。
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![タチカメバソウ](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=238x1024:format=jpg/path/sf8a8d00d654c7ec1/image/i302af282069ac674/version/1496371750/%E3%82%BF%E3%83%81%E3%82%AB%E3%83%A1%E3%83%90%E3%82%BD%E3%82%A6.jpg)
次々と見慣れぬ花が目に入り、なかなか先に進めない。 バスを下りてから20分も過ぎようとしているのに、まだ30mも下っていないのだ。 花を観察し写真を撮っていると、カメのように進みが遅い。 これだから登山目的の人とご一緒できる訳がないのだ。 山に行っても頂上への執着心がまったくないので、見たい花が見れたと思ったらたとえあと少しで頂上であったとしても「ほんじゃ帰りますか」とUターンして下山してしまう。 このような行動は登山が好きな人にはまったく理解されない。
さて、一見してムラサキ科であろうと思われたこの花は、ほんの数株しか見つけられなかったが、サッパリ名前がわからなかった。「ムラサキ科の花の、白花品じゃない?」などと話していたが、翌日の八ヶ岳山麓でその答えがわかった。 ムラサキ科のタチカメバソウである。
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バス停近くでは、他にズダヤクシュ(蕾)、ミヤマハタザオ、ユモトマムシグサなども見られた。 林道を下っていくと、花はつけていないが葉に白い毛が密生している植物を見つけた。 ウスユキソウかな? (下の写真をクリックすると拡大します)
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![林道から見えた山](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=300x1024:format=jpg/path/sf8a8d00d654c7ec1/image/ia963b270fa10ac33/version/1292858041/%E6%9E%97%E9%81%93%E3%81%8B%E3%82%89%E8%A6%8B%E3%81%88%E3%81%9F%E5%B1%B1.jpg)
林道からはずっとこんな絶景が見える。 山好きな人にはきっとすぐに山の名前がわかるのだろう。 あえてここには書きません。 ちなみに、写っていないが林道の下は急斜面で数百メートル下の谷に川が流れているのが見える。 林道とバスがなかったら、私たちには絶対来ることができない場所だ。
晴天に恵まれ、空気はうまく、暑くも寒くもなく、時おりほどよい風が吹いて... 本当に最高の花さんぽ日和だ。
![南アルプスの天然水](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=225x1024:format=jpg/path/sf8a8d00d654c7ec1/image/i4b18f8900e4ca7dc/version/1292858041/%E5%8D%97%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%97%E3%82%B9%E3%81%AE%E5%A4%A9%E7%84%B6%E6%B0%B4.jpg)
途中にあった沢。 水を汲み易いように竹が設置されている。 飲んでみた。うまい! 正真正銘の「南アルプスの天然水」である。 本当にうまかった。 今度来る時は水は少なめに持って、ここで補給しよう。
(このレポートは未完成です。今後写真と文が追加される可能性があります)
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