ヤマトグサ

 

大和草 アカネ科 ヤマトグサ属

Cynocrambe japonicum

(= Theligonum japonicum )

ヤマトグサ (大和草) アカネ科 ヤマトグサ属  2011.05.08 筑波山
ヤマトグサ (大和草) アカネ科 ヤマトグサ属  2011.05.08 筑波山

 

 見たかった花をようやく見ることができました。 数日前、花の大先輩の情報を頼りに静岡県に探しに行ったときは、探し方が悪かったせいか発見できず、空振りに終ってしまいました。 諦めきれず、連休の最終日に筑波山に行き、一日探しまわって、陽が沈む少し前にようやくその姿を見ることができました。

 

 100〜120個ほど固まっていました。 しかし柄を伸ばし花をつけている個体はたった4〜5個ほど。 見たことがなかったため、葉を見たときは別の植物かと思いました。 念のため撮っておこうかとしゃがんで見て、初めてふわふわ風にそよぐ雄しべが目に入り、ヤマトグサとわかったのです。 運がよかったです。狙いをつけていた場所とは異なる、意外な所にいたのです。

 

ヤマトグサ

 

 思っていたより小さく、思っていたとおり地味な花でした。

しかしこの花は記念すべき花なのです。 日本の植物学の父

と言われる牧野富太郎先生が発見し、日本人として初の新種

報告であることからこの和名「大和草」を命名されたのです。

1889年、牧野先生が27歳のときです。

 

 「大和草」とは「日本の草」の意味です。 牧野先生の思

いが伝わって来る気がします。 学名は発表当初は Cynocr-

ambe japonicum Makino でしたが、現在では Theligonum japonicum Okubo et Makino が通用しており、ネットで

検索しても後者の表示が多いです。 牧野先生の著作「牧野

 新日本植物圖鑑」(昭和36年発行)には両方の学名が載っ

ています。

 

ヤマトグサ

 

 雄花が開花する直前と思われる状態です。 この株は

高さ10cmほど。 茎の片側に白く短い毛が生えます。

葉は対生し、卵円形で全縁、全体に微毛があります。

薄黄緑色の円柱形のものがつぼみです。 開くと外側に

くるくると反り返る、萼片3個からできています。

 

ヤマトグサ

 

 ヤマトグサは風媒花です。 花弁はありません。 同じ

株に雄花と雌花をつけます。 雌花は小さく「これです」

と示せる写真が撮れませんでした(もしかするとどれかの

写真に写っているかも知れません)。

 たくさん垂れ下がっているものが、雄しべです。 20本

くらい?ありそうです。 白い花糸はとても細いです。

薄黄色を帯びた葯は線形です。

 

ヤマトグサ

 

 風媒花だからなのでしょうか? 花糸がとても細い

ので、雄しべは僅かな風が吹いてもふわふわと揺れま

す。 上の写真を撮影中にかすかに風が来たら、下の

写真のように雄しべが右にたなびきました。

 

ヤマトグサ
ヤマトグサの葉の様子です
ヤマトグサの葉の様子です

 

 ヤマトグサ

 

山中の樹の下に生える多年草。 高さは15cm程度。 地下茎は細く短く、ひげ根を出す。 茎は直立し先端に花をつける。 花が終わると下部の側枝が伸びて地を這い、その先に新芽をつくる。 葉は対生し葉柄があり、膜質の葉間托葉があり、卵円形で全縁、微毛がある。 花のすぐ下の苞は互生し狭卵形で葉状の苞となる。 4〜5月頃、淡緑色で風媒の単性花をつける。 雄花は節ごとに1〜2個つき、苞と対生しほとんど柄がない。 雌花は苞腋または葉腋につき小さくて柄はなく、下部は扁平で子房状、緑色で尾毛があり、上部は側面に片寄って線状となり、花中から横に傾いて1個の大きな花柱が出る。

(参考文献:「牧野 新日本植物圖鑑」初版 p.136「やまとぐさ」)

 

2011.05.09 掲載

2013.10.06 APG体系準拠に伴いヤマトグサ科からアカネ科に変更 

 

 

 

コメント: 4 (ディスカッションは終了しました。)
  • #1

    流れ星 (木曜日, 25 8月 2011 06:32)

    地元高知にいながらようやく今年開花がみられました。(散策歴は4年)

    株は幾度も見ていたのにです。1時間車で行けばいやっというほどあるので来年はきれいな花と雌花を見たいと思っています。
    しかし、撮影には苦労しますね。コオロギランの方がもっと難しいのですけど・・横倉山では今、開花していますよ。

  • #2

    hanasanpo (木曜日, 25 8月 2011 21:45)

    このページにコメントを入れてくれる方は現れるのだろうかと思っていましたが、さすが流れ星さんですね!
    きっと牧野植物園にも何度も行かれているのでしょうね。

    コオロギラン、ホームページで拝見しました。ものすごく小さなランですね。
    大きさだけでいうとホンゴウソウといい勝負?(ホンゴウソウも拝見しました。すごく花つきがいいですね!)
    自生地はとても限定されているようですが、いつか見てみたいものです。

  • #3

    流れ星 (木曜日, 25 8月 2011 23:42)

    格安航空便利用とか高速バスだとひとっとびですよ
    是非訪問ししてください。
    コオロギランは今ちょうどなので県外から花好ききます。

    牧野植物園は近くなので自転車で行けます。
    観察会にもしばしば参加です。
    ヤマワキオゴケを見てくださるとうれしいです。(ガガイモ科大好きです)

    子供2人とも東京なので高尾とか昭和記念公園とか花のあるところばかり行っていますよ。

  • #4

    hanasanpo (金曜日, 26 8月 2011 22:13)

    ヤマワキオゴケ、拝見しました。長い花柄が目立ち、ちょっと他のガガイモ科と趣が違いますね。
    高知県と徳島県の固有種ですか。環境省レッドリストで絶滅危惧種1A類に指定された、激レア種なのですね。
    四国は本当に未見の花の宝庫のように思えます。作戦を練って、訪問したいと思います。

    ガガイモ科で見たことのある花は... ガガイモ、クサタチバナ、タチガシワ、そして先日初めて見ることができたコバノカモメヅル、かな?

 

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  2011年5月9日 筑波山のヤマトグサ

 

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