ハイハマボッス

(ヤチハコベ)

 

這浜払子 サクラソウ科 ハイハマボッス属

Samolus parviflorus 準絶滅危惧(NT) 

ハイハマボッス  2013.08.04 長野県 戸隠高原 alt=1170m
 ハイハマボッス  2013.08.04 長野県 戸隠高原

 

 今年初めて見ることができた植物です。 海岸付近の湿地や

山地の池や沼の畔に生える多年草。 ここは海からだいぶ離れ

た標高千メートル以上の池。 根元は半分水に浸かっているよ

うな場所でした。

 

 花は直径2〜3mmほどで、とても小さい! 葉は倒卵形また

は楕円形で、長さ2〜6cm、幅1〜2cm。 花期は6〜8月。

分布域については、こちらの外部サイトをご参照下さい。

日本のレッドデータ検索システム

 

ハイハマボッス
 ハイハマボッス

 

 周辺には樹木がうっそうと茂る、薄暗い山間の

池の畔。半ば水没するような場所に多くいました。

 

ハイハマボッス

 

 茎は細く、高さは10〜30cm。 全体に無毛。 名の

由来は花の形がハマボッス(サクラソウ科)に似ていて、

茎がやや地を這うからだそうです。 確かに大きさはま

ったく異なりますが、海岸付近で見たら「ハマボッスに

似ている」と思うかも。 ヤマハコベの別名があります。

 

ハイハマボッスの花
 ハイハマボッスの花
ハイハマボッスの花
 ハイハマボッスの花

 

 花冠は鐘形で5裂し、短い花筒があります。 雄しべは

5個で、花冠裂片と対の位置で花筒につきます。 花糸は

短く、写真ではよく見えません。 葯は淡黄色。  花冠裂

片と互生の位置に見える、白くやや尖ったものは、仮雄し

べです。 花の中心にある柱頭は、目立ちません。

 

花柄の途中に小さな苞がある(⇒部)
 花柄の途中に小さな苞がある(⇒部)

 

 上の写真は花柄にフォーカスしたものです。 細い

花柄の中程に、これまた極小の披針形の苞があります。

矢印の先にあるのですが... 小さすぎて見えないかな?

 

ハイハマボッスの果実
 ハイハマボッスの果実

 

 若い果実では、萼片が果実の半ば以上を覆って合着して

いる様子がわかります。 これは「子房中位花」であるこ

とを示していて、サクラソウ科では稀だそうです。

 

 「子房中位」については、外部サイトにお助け願いたい

と思います。 以下の外部サイトの「子房の位置」の項目

に、詳しい解説があります。(2013.09.13最終閲覧)

http://www.biol.tsukuba.ac.jp/~algae/BotanyWEB/pistil.html

 

 小さく弱々しく見える花ですが、見ることができてよかっ

たです。 環境省のレッドリストでは準絶滅危惧に指定さ

れてしまっています。 それがランクアップしないことを

祈ります。

 

2013.09.13 掲載

 

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