ツクバキンモンソウ

 

筑波金紋草 シソ科 キランソウ属

Ajuga yesoensis var. tsukubana

ツクバキンモンソウ (筑波金紋草) シソ科 キランソウ属 2011.05.08 筑波山
 ツクバキンモンソウ (筑波金紋草) シソ科 キランソウ属 2011.05.08 筑波山

 

 ツクバキンモンソウは、2010年に栃木県足利市の山中で

初めて見ることができました。 今回、この花の発見地であ

る茨城県の筑波山で、開花間もないフレッシュな姿を見るこ

とができました。 これを記念しツクバキンモンソウのペー

ジをリニューアルしました。

 

2011.05.08 筑波山
 2011.05.08 筑波山

 

 花の名前には発見地や標本の採集地を冠したものも

多いですが、その地で見ることができるのは、なんだ

か嬉しいものです。 とは言ってもそう多くを見てい

るわけではありません。 すぐに思い出せる花は、昨

年岐阜県と滋賀県にまたがる伊吹山で出会えた、イブ

キコゴメグサとイブキトリカブトがあります。

 

2010.04.30 栃木県足利市
 2010.04.30 栃木県足利市

 

 上の写真は2010年に初めて見ることができたツクバ

キンモンソウです。 栃木県足利市の山中を車で走行中

に、道路脇の斜面に咲いているのをHiroが発見しました。

その日の花さんぽレポートは、こちら。

 

2010.04.30 栃木県足利市
 2010.04.30 栃木県足利市

 

 葉の表面は葉脈部分が暗紅紫色を帯びます。 裏面は全体が

紅紫色を帯びています。 指の大きさと比較して、およその大

きさをイメージしていただけるでしょうか? この株は小さめ

なのかも知れませんが、それを考慮しても、大きな植物ではあ

りません。

 

 写真撮影のモデルとなってくれる花たちには、原則、手を触

れません。 落ち葉が被さっていたら、そっとどける程度です。

しかし葉の裏を観察したい時は裏返さないと見えないので、ち

ょっと失礼して葉をめくらせてもらいます。 こんなことでも、

花にとってはストレスになっているかも知れませんね...。

 

2010.04.30 栃木県足利市
 2010.04.30 栃木県足利市

 

 雄しべは4個です。 上側2個が下側2個より長いです。 このため見る角度によっては、雄しべが2個であるように見えたりします。 雄しべの先端に黄色い花粉が見えます。 花粉がついている部分の基部には細く黒い帯が見えます。 写真をクリックするともう少し大きく表示できます。


下唇は3裂し、全体にごく薄い紫色で、紫色の筋が入ります。 上唇は? 上唇はとても短く、長さ1mmほどしかありません。 雄しべよりずっと短く、上の写真では雄しべに隠れ、雄しべの根元の両端からわずかに見えるだけです。 上唇が非常に小さいことは、母種のニシキゴロモとの重要な識別ポイントです。

 

 雄しべの先端部分に半ば隠れて、白い花柱があるのが見えますか? 先端が2裂しているように見えますが、一部が右側の雄しべに隠れてしまっています。 もしかすると3裂以上しているかも? 図鑑やネットを探し回りましたが、残念ながら花柱の先端が何裂しているかの記述は発見できませんでした。

 

 

 なんとか上唇の形状がわかる写真がありました。 ここは

ニシキゴロモとの識別ポイントとして重要です。 上唇は2

裂し、それぞれの形状は半円形です。 上の写真にマウス

でポインターを重ねると、注目すべき点を示す矢印が表示さ

れます。(2013.04.30改造)

 

 

 後ろ向きの花が写った写真がありました。 トリミングして

あります。 上唇は雄しべよりずっと短いですね。外側には白

い毛が生えています。

 

ツクバキンモンソウ 2012.06.10 群馬県 赤城山
 2012.06.10 群馬県 赤城山

 

 葉の裏面・葉脈・茎の紫色がとても濃い個体です。

一部の葉は表面まで紫色が入っていました。

 

 2012.06.10 群馬県 赤城山

 

 茎や萼片だけでなく、花弁の裏面にも

たくさん毛が生えている個体もいました。

 

 ツクバキンモンソウは、ニシキゴロモの変種です。 ニシキ

ゴロモは日本海側に、ツクバキンモンソウは太平洋側に多く分

布します。 ニシキゴロモは、こんな花です(下の写真)。

通常はツクバキンモンソウと同じように葉脈が暗紅紫色になる

ようですが、この個体は色が薄かったです。

 

 

ニシキゴロモ

ニシキゴロモ 2009.04.11 新潟県長岡市
 ニシキゴロモ 2009.04.11 新潟県長岡市
ツクバキンモンソウとニシキゴロモ
 ツクバキンモンソウとニシキゴロモ

 

 以前作成した、ツクバキンモンソウとニシキゴロモの比較写真を再掲載します。 右側のニシキゴロモは雄しべよりずっと長く、明確に2裂した上唇を持っています。 (画質が悪くすみません)

 シロバナニシキゴロモというよく似た種もいます。

 

 

ツクバキンモンソウ

 

山地に生え、高さ5〜15cmになる多年草。 葉は対生し3〜4対あり、長さ1〜2cmの葉柄を持ち、粗い鈍頭の鋸歯がある。 表面は脈に沿って紫色を帯びる。花冠は長さ1.1〜1.3cmで筒部は細長く、先は上唇と下唇に分かれる。 雄しべは4個あり、うち2個が長い。 萼は長さ6mmほどで5裂し、毛がある。 

ニシキゴロモの変種。 ニシキゴロモが主に日本海側に分布するのに対して、太平洋側を中心に分布する。 ニシキゴロモに比べて花冠上唇の発達が悪く、長さ1mmに達しない。 花期は4〜5月。北海道、本州(太平洋側)、四国に分布。

白花をつけるものをシロバナツクバキンモンソウといい、全体に色が淡い。

 

2011.05.13 掲載

2013.04.30 写真を入れ替え(上から6枚目)

2014.05.09 写真を追加(「ニシキゴロモ」の上2枚)

 

 

コメント: 4 (ディスカッションは終了しました。)
  • #1

    ゆき (土曜日, 16 5月 2015 19:43)

    こんばんは、HIROさん、kenさん、白花 ツクバキンモン草とニシキゴロモ、どちらも、いいですね、シルバーリーフとウラベニの葉が、魅力ですね、キラン草や十二単の仲間でしょうか?葉の裏が、紅いろのスハマ草やタツナミ草なども、いいですね。

  • #2

    HiroKenのKen (日曜日, 17 5月 2015 20:38)

    いつも当ホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
    ツクバキンモンソウやニシキゴロモは、小さいけど可愛い花ですよね!
    ゆきさんは葉の裏などもよく観察されるのですね。
    ツクバキンモンソウでは調べましたが、普段はよく忘れてしまいます。

    そう、どちらもキランソウ属ですので、キランソウやジュウニヒトエの仲間ですね!

    昨日から泊まりがけで花散策しておりまして、宿泊先からスマホを使ってコメントを返そうとしたのですが、うまく入らず、返信が遅れてすみません。

  • #3

    ゆき (月曜日, 18 5月 2015 14:23)

    こんにちは、HIROさん、Kenさん、ありがとうございます、こちらこそ、憧れのお花やかわいいお花や珍しいお花を教えていただき、嬉しいです、もし、よろしければ、お花散歩のご紹介も、ぜひ、お願いします。

  • #4

    HiroKenのKen (月曜日, 18 5月 2015 20:57)

    「野山の花アルバム」の各ページの末尾には、その花が掲載された他のページのご案内がありますので、ぜひご利用下さいね。

 

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ツクバキンモンソウが掲載されたページ

 花さんぽ

  2010年4月30日-5月1日 栃木県足利市の山と群馬県鳴神山の花

 

 Dairy-Hiroダス

  2012年6月11日 赤城の山で花捜査(2)

  2011年5月 9日 筑波山のヤマトグサ

 


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