ナミキソウ

 

波来草 シソ科 タツナミソウ属

Scutellaria strigillosa

ナミキソウ  2012.07.15 新潟県
 ナミキソウ  2012.07.15 新潟県

 

 新潟県の海岸で、ナミキソウに出会うことができました。

日本全土に分布するそうですが、今回初めて見ることができ

ました。 撮影のためにしゃがんだりするだけで汗が吹き出

してくるような、とても暑い日でした。 海岸には海水浴客

がたくさんいました。

 

ナミキソウ  2012.07.15 新潟県

 

 長く続く砂浜の、やや内陸側で波はかからないような場所

にいました。 夏の海岸植物が生い茂る中で、美しい青紫色

の花は一際目立ちます。 他の植物に埋もれそうになりなが

らも、その数はけっこう多いように見えました。

 

ナミキソウ  2012.07.15 新潟県

 

 高さ10〜40cmの多年草です。 茎の上部の対生する葉腋に

青紫色の唇形花を1個づつつけ、2個が同じ方向を向いて咲きま

す。 日本のタツナミソウの仲間の中で穂状花序をつくらない

のは、本種とヒメナミキだけです。

 

ナミキソウ  2012.07.15 新潟県
ナミキソウ  2012.07.15 新潟県

 

 花は基部で折れ曲がってほぼ直立します。 名の由来は、波の

打ち寄せる海岸に生えることによります。 また花の形が、波の

押し寄せてくる様子に似ているからとも言われています。

 

 茎や葉には軟毛があります。 葉は対生し、短い柄があります。

長楕円形で先は丸く、縁には低い鈍鋸歯があります。 海岸の植

らしく、肉質な感じでした。

 

ナミキソウ  2012.07.15 新潟県

 

 上唇はカブト状に膨らみ、軟毛が生えてビロード状に見えます。

下唇は幅広く、昆虫が着地し易くなっており、ごく浅く3裂します。

下唇の白い部分はぷっくり盛り上がって、ママコナ(ハマウツボ科)を

連想しました。

 

ナミキソウ  2012.07.15 新潟県

 

小さな蜂が訪れていました。

 

ナミキソウは新潟県の花友さんのKさんに案内いただいた海岸で

見ることができました。この場を借りて御礼申し上げます。

 

2012.08.05 掲載

 

コメント: 2 (ディスカッションは終了しました。)
  • #1

    木村淳子 (木曜日, 26 5月 2016 15:46)

    ウォーキング途中で見つけ、名前を知りたくて調べました。
    浪来草と分かりましたが、海岸で見ることができ名前の由来のようです。
    当地は海はなく山の中で、一か所だけでなく結構あちこちで見かけます。

    誰かが海岸から見つけて持ち帰り、移植したのが広がったのでしょうか?

  • #2

    HiroKen (木曜日, 26 5月 2016 19:45)

    コメントをありがとうございます。
    ナミキソウが山の中に咲くという話はとても珍しいですね!
    海岸とはまったく異なる環境で繁殖しているのは、不思議です。
    タツナミソウ属の植物は皆よく似ているので、似た別種の可能性もありますね。