ジンジソウ

 

人字草 ユキノシタ科 ユキノシタ属

Saxifraga cortusifolia

ジンジソウ  2014.10.11 山梨県 alt=770m
 ジンジソウ  2014.10.11 山梨県 alt=770m


 花の形が「人」の字に似ていることが、「人字草」の名の由来です。 山地のやや湿った岩場に生える、高さ10〜35cmの多年草。 本州の関東地方以西〜九州に分布し、花期は9〜11月です。


ジンジソウの根生葉
 根生葉


 根茎は短く、直立または斜上し、その頂に根出葉を束生します。 根出葉は長さ2〜15cmの柄があります。


ジンジソウの根生葉
 根生葉


 根出葉は円腎形〜円形で、7〜11中裂します(稀に浅裂、または深裂)。 長さは2〜11cm、幅は3〜16cmで、基部は心形です。 葉柄とともに全体にまばらに毛が生えます。


ジンジソウの花茎の下部には白っぽい長毛が目立つ
 花茎の下部には白っぽい長毛が目立つ
ジンジソウ花茎下部の長毛
 花茎下部の長毛


 花茎には白っぽい毛が生えますが、特に基部付近の毛が長く、目立ちました(左上)。 基部付近の毛の長さは、茎の直径より長いものがありました(右上)。



 花序は集散形で、多数の白い小花をやや密につけます。 たくさん咲いていると賑やかな印象です。 花は、ほぼ同じ方向を向いて咲いていました。


ジンジソウの花の正面−1
 花の正面−1

 

う〜ん、確かに人の字に似ていました! 下側の2弁は長さ12〜25mm。

 

ジンジソウの花の正面−2
 花の正面−2

 

 上側には3弁があり、長さは約4mm。 トランプのスペードのような形をしています。 基部に黄色い班があることと、明確な爪があることが本種の特徴です。 爪とは、花弁基部の細くなった部分です。

 

 雄しべは10個で、放射状に伸びます。 裂開直前の葯は薄い橙黄色。 中央の黄色く丸っこい部分は花盤で、子房の下半分を包みます。 そこから下側に突き出しているのが柱頭で、1個に見えますが、2個あります(後の写真でよく見えます)。

 

イズノシマダイモンジソウ
 イズノシマダイモンジソウ
ユキノシタ
 ユキノシタ

 

 仲間の植物と比べてみたくなったので、イズノシマダイモンジソウユキノシタの写真を持って来ました。 イズノシマダイモンジソウは、ダイモンジソウによく似た花ですが、確かに「大」の字に見えます。 ユキノシタは、下側の花弁が太く、何かの文字に例えたくはならないですね。 でも、ピンク色が美しい花です。

 

 上の2種とも、上側の3弁の爪はほとんど目立ちません。 ジンジソウとの識別ポイントになり得そうです。

 

ジンジソウの花柱は2個
 花柱は2個

 

 ジンジソウに戻ります。 別の個体です。 こちらはやや見頃の時期を過ぎており、ほとんどの葯が裂開しています。 柱頭が2個ある様子がわかります。

 

ジンジソウの花の側面
 花の側面


 花の側面です。 下側の花弁は、緩やかに前方に反り出しています。 花柄は長さ2〜15mm。 萼片とともに、微細な腺毛があります。 萼片は花期には反曲しています。 花が終わりに近づき、2個の柱頭が長く突き出している様子がわかります。


ジンジソウの花の背面
 花の背面


花の背面です。 萼裂片は長卵形で、長さは1〜5mm。


 

 2014年に初めて見ることができた花の一つでした。 今回はHiroの事前リサーチのおかげで、無事初対面を果たすことができました。

 

2015.01.25 掲載

 

 

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コメント: 2
  • #1

    ゆき (月曜日, 01 6月 2015 22:30)

    こんばんは、HIROさん、kenさん、早速、伊豆の島大文字草の写真、拝見しましたよ、千葉県南部も、自生地に、なるのですね、白花が、印象的で、秋に、再び、開花を確認してみたいです、道路沿いの薄暗い壁に、数百にも、およぶ、大群生した、ほんの10メートル足らずの岩肌に。那須でみた、赤い花の大文字草と、種類が、違うのも、また、魅力的ですね、ジンジソウや大文字草や伊豆の島大文字草の比較、楽しいですね。白花は、清楚で、可憐なイメージです。

  • #2

    HiroKenのKen (火曜日, 02 6月 2015 02:23)

    ダイモンジソウの仲間は、花は小さいですが、近づいてみると皆美しいですね!
    個性豊かな花たちをこれからも観察していきたいと思います。