ミカワマツムシソウ

 

三河松虫草 スイカズラ科 マツムシソウ属

Scabiosa japonica Miq. var. breviligula Suyama et K. Ueda

ミカワマツムシソウ  2013.09.14 東海地方
 ミカワマツムシソウ  2013.09.14 東海地方

 

 珍しいマツムシソウを見ることができました。 初めて目に

したときは「栄養状態の悪いマツムシソウ?」かと思いました。

マツムシソウの変種で、東海地方(愛知、岐阜、三重、静岡西

部)の低地・丘陵地のみに分布する、ミカワマツムシソウです。

特に東海地方に散在する、蛇紋岩地で見られることが多いそう

です。 この観察地も小さな蛇紋岩地でした。

 

 

 頭花は小さく、1.0〜3.5cm(マツムシソウは2.5〜5.0cm)。

舌状花はないか、あるいは3〜7個の短い舌状花を持つという特

徴があります。 小花の数も10〜30個と少ない(マツムシソウ

は75〜100個)。

 

 蛇紋岩地は貧栄養で、土壌中に重金属が多く、これは植物を

矮小化させる要因になりますが、ミカワマツムシソウは種子を

取って通常の土壌で育てても上記の形質的な特徴を維持するの

で、マツムシソウが蛇紋岩地で矮小化したものではないことが

確認されています(通常の土壌ではやや大型化し頭花の数が増

えるという変化はあったそうです)。

 

 1994年に発見され、2005年に新変種として発表されました。

このため所有する図鑑には載っていませんでした。

 

 

 上の花には舌状花は無いように見えます。 花色は普通の

マツムシソウのような色から、白色に近いものまでいました。

 

 

 上の2枚は舌状花のあるタイプですが、7個ほどと少ない。

筒状花の数もマツムシソウと比べると、とても少ないです。

 

 マツムシソウの仲間はマツムシソウ科として分類されて

いますが、本ホームページではAPG植物分類体系(APG-lll)

に準拠しているためスイカズラ科としています。

 

2013.10.20 掲載

 

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スイカズラ科  マツムシソウ

 

 

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