コシノコバイモ

 

越の小貝母 ユリ科 バイモ属

Fritillaria kosidzumiana Ohwi

このページはコシノコバイモの旧ページです。

ご覧になってもかまいませんが、ぜひ全面改訂したリニューアルページもご覧下さい

 

コシノコバイモ (越の小貝母) ユリ科 バイモ属  2010.04.04 岐阜県
コシノコバイモ (越の小貝母) ユリ科 バイモ属 2010.04.04 岐阜県

 

 和名は越後(新潟県)のコバイモの意味。 コバイモの仲間は

自生地の名がつくものが多いようですね。ミノコバイモ(美濃...

岐阜県)、カイコバイモ(甲斐...山梨県)、トサコバイモ(土佐...

高知県)にアワコバイモ(阿波...徳島県)...

 

 それはともかく、以前新潟県で初めて見たコシノコバイモは薄

い紫褐色だったので、このように緑色の花は初めて見ました。

このような色もいるのですね(もしかしてこれが普通?)。葉の

幅はミノコバイモより広いように見えました。 

 

コシノコバイモ  2010.04.04 岐阜県
 2010.04.04 岐阜県

 

 小さな川沿いのやや急な斜面に咲いていました。 この個体は

花被の突起部分と根元付近が暗褐色になっています。 ミノコバ

イモより内花被・外花被の隙間が広いように思えます(ミノコバ

イモは隙間が無いか、狭いです)。 内花被の縁に鋸歯状の小突

起があるのが見えるでしょうか。

 

コシノコバイモ  2010.04.04 岐阜県
 2010.04.04 岐阜県

 

 この写真は内花被の縁に鋸歯状というか、毛状の小突

起が見えますね。 外花被にはありません。他のコバイ

モの仲間の花被には小突起はないので、識別の重要なポ

イントになります。

 

 但し、開花後間もない頃は花被は重なるようになって

いて、外花被が内花被の縁の部分を隠して小突起は見え

ないことを知っていないと、その段階を見て他のコバイ

モと見誤ってしまう可能性があるので、要注意です。

 

コシノコバイモ  2010.04.04 岐阜県
 2010.04.04 岐阜県

 

 同じ場所に薄い紫褐色をした個体もいました。

どうしてこのような色の違いが出るのでしょう?

 

コシノコバイモ 2008.04.06 新潟県
 2008.04.06 新潟県

 

こちらが新潟県で初めて見ることができた

コシノコバイモです。 このような色の花

と思っていたので、岐阜県で緑色の個体を

見て驚きました。

 

コシノコバイモ 2008.04.06 新潟県
 コシノコバイモ 2008.04.06 新潟県

 

 上の写真をクリックすると拡大します。 内花被の縁の

鋸歯状の小突起がよく見えると思います。 外花被の縁に

は小突起はありません。 花被の内側に細長く黄色っぽく

見える部分は、蜜が詰まった腺体です。 腺体の縁にもさ

らに小さな小突起があるのですが、見えるでしょうか。

 

        2011.04.11 新潟県長岡市

 

花柱は先端が3裂します。 葯と花粉は白色です。

上の写真にマウスでポインターを重ねると拡大

写真に切り替わります。

 

 コシノコバイモ  2009.04.11 新潟県長岡市
 2009.04.11 新潟県長岡市

 

色白さんのコシノコバイモが、

アズマシロカネソウと競演。

 

 2011.04.10  新潟県長岡市
 2011.04.10  新潟県長岡市

 

 上の写真はフレッシュなコシノコバイモです。

花柄(矢印部)にご注目下さい。 根元から花

の付け根にかけてわずかに太くなり、表面は凹

凸がなく滑らかです。 そして次の写真をご覧

下さい。

 

        2013.05.03  新潟県上越地方

 

 上の花はもう時期を過ぎ、果実になろうとしています。

周りにはすでに果実となった個体も多く見受けられまし

た。 花柄に注目すると、なんと掃除機のホースの蛇腹

にも似た凹凸ができています! 花の付け根の部分も

さを増しているように見えます。

 歳を取るとシワが増えて太るなんて... あーなんだか

人間に似ている!(歳は取りたくないね〜...)

 

        コシノコバイモの果実  2013.05.03 新潟県上越地方

 

 今回(2013年)初めてコシノコバイモの果実を見る

ことができました。 緑色の可愛い果実でした。地元

の方によると、果実は成熟すると大きさも形も花そっ

くりになるとのことです。 成熟すると大きくなるの

は納得ですが、形が花そっくりになるとは!? いつ

かこの目で確かめてみたいです。

 

 

コシノコバイモ

 

福島県、北陸地方の日本海側と長野県、岐阜県北部、愛知県北部、静岡県に分布。 山地の林内や草地に生える高さ10~15cmの多年草。 開花まで数年を要し、それまでは毎年1枚葉を出しては枯れることを繰り返す。 花期は3〜4月の雪解け後。

 

 

2010.12.21 掲載

2013.05.04 写真(7枚目〜11枚め)と文を追加、

      既存の文を一部改訂しマイナーリニューアル

2018.04.17 全面改訂したリニューアルページに移行。

 

コメント: 4 (ディスカッションは終了しました。)
  • #1

    長野市の花好きの安藤裕子 (日曜日, 03 4月 2016 15:38)

    4月1日に新潟の樋曾山に行って見て来ました。他の種類の説明も然ることながら、コシノコバイモついての詳細なデーターに感動しました。

  • #2

    HiroKen (日曜日, 03 4月 2016 19:56)

    安藤さん、コメントをありがとうございます。
    野山の花アルバムでは、できるだけわかりやすく説明するように心がけています。
    このページのコシノコバイモは、樋曾山という場所で見たものではありませんが、
    出会えてよかったですね。

  • #3

    落合孟郎 (火曜日, 07 6月 2016 16:23)

    焼津の高草山でこしのこばいもと出会い感激しました。

  • #4

    HiroKen (火曜日, 07 6月 2016 20:48)

    コシノコバイモを見ることができて、よかったですね!
    高草山は、他にもいろいろ花が咲くようなので、いつか行ってみたいです。