カワラノギク

 

河原野菊 キク科 シオン属

Aster kantoensis 絶滅危惧Ⅱ類(VU)

奥の間   

カワラノギク (河原野菊) キク科 シオン属  2010.11.13 東京都
カワラノギク (河原野菊) キク科 シオン属  2010.11.13 東京都

 

 カワラノギクを見に多摩川に向かった。 事前調査では場所は

大雑把にしかわからなかったが、以前対岸をよくうろついていた

時に対岸(今回訪れた側)を見て玉石がゴロゴロしている河原だ

と知っていたので、まずそこを目指した。

 

カワラノギク保護育成地    2010.11.13 東京都
 カワラノギク保護育成地    2010.11.13 東京都

 

 土手のそばに車を停め河原を目指した。 河川敷のグラウンドの

脇を進み河原を目指すと、すぐに目に飛び込んできたのが、カワラ

ノギクの保護育成地だ(上の写真)。 率直に言って「玉石河原に

咲く花をなぜ土手の土の上に?」と思った。

 

カワラノギク保護育成地    2010.11.13 東京都
 カワラノギク保護育成地    2010.11.13 東京都

 

 時期は多少遅いが、まだ多数の花をつけていた。 通常は人手が

かかった花は撮影しないが、稀少種であるので、ありがたく撮影さ

せていただいた。 後で知ったが、この保護育成地は、ボランティ

アの方が大変な労力と時間をかけて維持されているものだ。 詳し

く知りたい方はこちらをご覧ください。本当に頭が下がる思いです。

(2013.10.19 最終閲覧)

 

グラウンドの奥に河原に通じていそうな小径の入り口があった。

 

 

 

 

 

 玉石がゴロゴロしている場所なので歩きにくいと思っていたが、このような道が作られており歩き易かった。 ボランティアの方々が作られた散策路だと思うが、人力だけでこれを作るのは大変な労力であったと思う。

 

 自生地の全容。 このように玉石がゴロゴロ転がる場所が本来の

生育地だ。 過酷な環境と言える。 たくさんいるように見えるが、

かつては河原を埋め尽くしていた花が、現在はこれしかいない。

保護活動がなされていなかったら完全に消失していただろうと思わ

れるほど、生育範囲は狭い。 上のパノラマ写真をクリックすると

別ウインドウが開き、大きな画面でスクロールして見ることができ

ます。 画面を横長にすることをお勧めします(PCの環境により

表示されないこともあります)。

 

カワラノギク  2010.11.13 東京都
 カワラノギク  2010.11.13 東京都

 

 ダムなどの人間の治水活動の影響で、生育地が冠水

することが少なくなったことが、激減した原因の一つ

だそうだ。 そこに外来植物などがはびこり、今やそ

れが玉石河原という過酷な環境以上に脅威となってい

るようだ

 

カワラノギク  2010.11.13 東京都
 カワラノギク  2010.11.13 東京都

 

 1年~数年の生長期間の後、1回だけ開花して枯れて

しまう。 この特性は河川の氾濫などによる生育地の

攪乱で環境が頻繁に変わることへ適応したものなのか

も知れないが、攪乱が起きにくくなった今、逆に個体

数を減らす要因の一つになってしまっていのかも知れ

ない。

 

カワラノギク  2010.11.13 東京都
 カワラノギク  2010.11.13 東京都

 

 茎の中央の葉は長さ6〜7cm、幅3〜5mmの

線形で、先は尖らず基部はしだいに細くなる。

他の多くのキク科の植物とは異なりとても細い

葉だ。 生育する環境が大雨の度に冠水するよ

うな場所なので、流れる水の抵抗を少なくする

ために、このような形状になったのだろうか?

 

カワラノギク  2010.11.13 東京都
 カワラノギク  2010.11.13 東京都

 

総苞片は2列で、内・外皮片の長さはほぼ同じ。

 

カワラノギク(果実)  2010.11.13 東京都
 カワラノギク(果実)  2010.11.13 東京都

 

カワラノギク

 

関東地方と静岡県東部に分布。 多摩川や相模川などの限られた河川の玉石河原に生育する越年草(多年草とする図鑑もあり)。 発芽から開花までの1〜数年間はロゼット葉で過ごす。 一度開花して結実すると、その個体は枯れる。 高さ30〜80cmになり茎は上部でよく分岐する。 葉は線状披針形、無柄でほとんど毛がない。 根生葉は通常開花期には枯れる。 頭花は直径3〜4cmで、舌状花は白色〜淡紫色、筒状花は黄色。 総苞片は2列に並び、内片と外片は同長。花期は9〜11月。 学名に「関東」が含まれている。 Asterkantoensis は、関東地方に咲くシオン属、という意味。


 

2010.11.15 掲載


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コメント: 4
  • #1

    ペン (火曜日, 16 11月 2010 21:59)

     HiroKenさん、はじめまして。
     私も同じ場所に10月24日に見に行きましたので、ちょっと懐かしく思いながら読ませていただきました。限られた環境にしか生えていないカワラノギクがとてもけなげに思います。保護するのは大変でしょうが、いつまでも見られるよう願っています。

  • #2

    hanasanpo (水曜日, 17 11月 2010 05:39)

    ペンさん、はじめまして! コメントをありがとうございます。
    ブログを拝見しました。とても美しい写真ばかりで驚きました。植物以外にも昆虫や鳥類など幅広く掲載されていますね。ちょうど今、花散策で出会った植物以外の生き物のページを作ろうと思っていたので、とても参考になります。これからもちょくちょく覗かせていただこうと思いますので、よろしくお願いします。
    左右の羽の模様が違うコムラサキは、もしかすると雌雄型(雌雄同体)ではないでしょうか。昆虫はまったくのシロウトなので間違っていたらごめんなさい!(ご参考→http://homepage2.nifty.com/oomurasaki/siyuugata.htm)

  • #3

    ペン (水曜日, 17 11月 2010 20:17)

     HiroKenさん、拙いブログを見てもらってありがとうございます。自己満足モードで細々と続けてきましたが、植物が主とは言え、その他にも自然観察一般を幅広く取り上げられればと思っています。
     ご存じかもしれませんが、コムラサキの♂は光線の当たり具合によって、くすんだ色に見えたり、きれいな青紫色に見えたりします。実はこのコムラサキはちょうど左右が違う色に見えた瞬間に撮った写真なんです。また、何かお気づきの点があったら指摘してもらえると嬉しいです。今後ともよろしくお願いします。

  • #4

    hanasanpo (水曜日, 17 11月 2010 21:26)

     ペンさん、コムラサキの♂のことはまったく知りませんでした!勉強不足ですみません!コムラサキ、ぜひ自分の目で見てみたいものです。ペンさんのブログは植物はもちろん、昆虫やキノコから動物まで...本当に幅広いですね。存在すら知らなかったものがたくさんいて驚くばかりです。私のサイトは植物がメインでありながら内容が貧弱なので、まず植物を充実させることを急ぐべきですが、これから少しだけ他の生き物も掲載していきたいと思います。名前すらわからないものがたくさんいます。お時間がある時にご教授頂ければ幸いです。よろしくお願い致します。