ミドリニリンソウ

 

緑二輪草 キンポウゲ科 イチリンソウ属

Anemone flaccida F.Schmidt  f. viridis Tatew.

#1 ミドリニリンソウ−1 2018.04.12 東京都八王子市
#1 ミドリニリンソウ−1     2018.04.12 東京都八王子市

 

 本来白色である萼片の一部、または全面が緑色になったニリンソウです。 存在は知っていましたが、今まで出会う機会がありませんでした。 今回、山で偶然出会った方に教えていただき、初対面を果たしました。

 

 ネットで情報を検索すると「萼は葉から進化したものなので、先祖返りしたとも考えられる」とのご意見もありました。 さらにこうなった原因について調べると、複数の個人サイトで「マイコプラズマの感染による病変である」と書かれていました。

あるサイトでは「現在ではマイコプラズマによるウイルス感染症であると判明している」とあったので、検索してみたのですが、出典の文献を見つけることはできませんでした。(注:マイコプラズマはウイルスではありません)

 

 このような変異が同じイチリンソウ属の植物にも発生してもおかしくない気がしますが、萼片が緑色になったイチリンソウやキクザキイチゲは聞いたこともありません。 本種は感染症の影響が出やすい種なのかも知れません。

 

 もしマイコプラズマの感染症であれば、本種はニリンソウそのものである訳ですが、Y-Listにはニリンソウの変種として学名があったので、そのまま記載しました。

 

#2 ミドリニリンソウの花−1
#2 ミドリニリンソウの花−1

 

 萼片が白く縁取られたようになり、なかなか美しい花でした。 萼片が6個ありますが、これはふつうの色のニリンソウでも多く見られます。 #2の花で雄しべは55個ありました。

 

 ミドリニリンソウの花の色合いや形状は千差万別で、ネットで検索すると実に様々な色の入り方や形状の花があることがわかります。 それこそが変種ではなく、マイコプラズマ感染症である証とも言えるかも?

 

 #3 茎葉(総苞)
 #3 茎葉(総苞)

 

 茎葉(総苞)の形状は、ややいびつな印象です。 小さな苞もちゃんとありました。 花茎はひとつだけのようです。 根生葉は観察しませんでした。

 

 

< 異常さMAX! 超先祖返り? のミドリニリンソウ >

 

#4 ミドリニリンソウ−2 2018.04.12 東京都八王子市
#4 ミドリニリンソウ−2     2018.04.12 東京都八王子市

 

 #4の花は、#1の花から数メートル離れた場所に咲いていました。 花茎はひとつで、茎葉はふつうにニリンソウと変わらないように見えました。 しかし花は、様相がかなり違っていました。 萼片に相当する位置にある部位は全面が緑色になり、その形状はもはや萼とは思えず、浅い欠刻が入った「葉」といえるものでした。

 

#5 ミドリニリンソウの花−2 花の正面
#5 ミドリニリンソウの花−2 花の正面

 

 ネット上でたくさん見ることができる個人のサイトに載っているミドリニリンソウは、萼片が萼片の形状をほぼ保ったまま、一部/全面の色だけが緑色になっています。 もちろん全てのサイトを見ることができた訳ではありませんが(本ページ下の参考文献の項でいくつかご紹介します)。

 

 ところが写真#5の花は、萼片が萼片の形態ではなく、かなり異常です。 a で指し示す部分は3個輪生し、楕円形で先端が3浅裂しており、どう見ても「葉」に見えます。 葉と同じように表面に微毛が生えています。 ふつうのニリンソウの萼片にも微毛が生えますが、それは裏面だけで表面には生えないので、この点でも異常です。

 

 b は楕円形で、a と互生し、3個が輪生します。 先端の欠刻はありません。 b の表面にも微毛が生えており、さらに葉脈のようなものまで見えます。 ab ともに萼片であるとは信じ難い外見です。 これはあたかも「萼は葉から進化した」ことを証明しているかのようにも思えます。

 

 さらに驚いたのは、c で指し示す部分です。 これは少しわかりにくいので、複数箇所を矢印で示しました。 一見、雄しべなのですが、よく見ると先端が平たく、2裂しており、あたかも退化した花弁の如くです。 弁化した雄しべといえばよいのか。ニリンソウには花弁はないので、非常に不思議です。 「先祖返り」だとしても、相当な太古の先祖に返ってしまったかのようです。

 

 d で指し示した雄しべは、特段の異常さは感じませんでした。 ふつうのニリンソウの雄しべも、少し古くなると同じように見えると思います。 しかしこれで終わりではありません。

 

 最後に極めつけは、花の中心部に「雌しべがない」ことです。 ニリンソウの花は両性花です。 必ず雌しべと雄しべがあるハズなのですが・・ 雌しべが見えない。 まるで「雄花」です。 この変異はかなり異常なレベルだと思います。

 

#6 ミドリニリンソウの花2 花の側面
#6 ミドリニリンソウの花2 花の側面

 

 なぜこのような花が生まれてしまったのか、素人には想像すらできませんが・・ なんらかの刺激を受けて遺伝子に損傷を受け、古い形質の情報を持つ遺伝子が発現してしまったのかも知れません。 来年も機会があれば見に行ってみたいと思いますが、この花にはもう出逢えないような予感があります。

 

 

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アネモネてんぐ巣病(親称)の発生とその宿主範囲 1989年 加藤、岩波、手塚

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  最終閲覧:2018.04.28

 

2018.04.28 掲載

 

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