コシノカンアオイ

 

越の寒葵 ウマノスズクサ科 カンアオイ属 カンアオイ節

Asarum megacalyx

日本固有種  準絶滅危惧( Near Threatened )

コシノカンアオイ  2008.04.05 新潟県新潟市
 コシノカンアオイ  2008.04.05 新潟県新潟市

 

 本州の日本海側(山形県〜福井県)の多雪地帯に生える、常緑の多年草です。 葉は長い柄があり、長さは6〜12cmで、卵状広楕円形または卵状ほこ形... というよりハート形といった方がわかり易い。 葉には光沢があり両面とも無毛、斑紋があるものとないものがあるようです(斑紋がないものにはまだ出会っていません)。


 本種はギフチョウの幼虫の食草としても知られています。 ギフチョウはコシノカンアオイの葉の裏に卵を産み付け、幼虫はその葉を食べて育ちます。


コシノカンアオイ 2008.04.05 新潟県新潟市
 2008.04.05 新潟県新潟市


 初めて見た時の印象は、「花がデカ!」です。 それまで見たことのあるカンアオイの仲間の中では、最大級に大きいと思いました。 花(萼片)の直径は3〜4cmほどあります。 花色は暗紫色で、とても地味ですが、大きいので迫力があります。


コシノカンアオイ 2008.04.05 新潟県新潟市
 2008.04.05 新潟県新潟市

 

 このように花は地面に接し、まるで転がっているように咲いています。 しかも地面と同化してしまいそうな色ですから、空を飛ぶ昆虫にとっては、さぞかし見つけにくいでしょう。 送粉者は、空を飛ばずに地面を歩いている昆虫かも知れません...。


 しかし最近の研究で、仲間のタマノカンアオイの送粉者は、空を飛ぶキノコバエという小さな昆虫であるとわかったそうです。 本種においてはまだ解明されていませんが、今後研究が進めば解明されることでしょう。

 

コシノカンアオイ  2008.04.05 新潟県新潟市
 2008.04.05 新潟県新潟市
コシノカンアオイ  2008.04.05 新潟県新潟市
 2008.04.05 新潟県新潟市

 

 萼筒口も大きいですね。 萼裂片の長さは12mm程度、

基部の幅は14mmほど。 萼筒の内面には15本の縦の隆

起線があり、格子状になるそうです。  写真ではよく見え

ません。

 

コシノカンアオイ  2008.04.05 新潟県新潟市
 2008.04.05 新潟県新潟市


白っぽく見えるのは、花粉でしょうか。


コシノカンアオイ  2009.04.12 新潟県長岡市
 2009.04.12 新潟県長岡市

 

萼筒は卵状球形で、長さ、幅とも約1.5cmです。

 

2015.11.15 掲載