ヒナノカンザシ

 

雛の簪 ヒメハギ科 ヒナノカンザシ属

Salomonia ciliata

 

 日当たりのよい湿地に生える、小さな1年草です。 高さは

6〜25cmほど。 花も小さいので咲いていても目立ちません。

注意して見ていないと見過ごしてしまうほどです。



 花は蕾のときは紫色で、開花すると先端部のみ紫色が残った

白色になります。 花は下から咲きます。 上の写真では、茎

頂に紫色の蕾、その下に白色の花、そしてさらに下は果実にな

っています。


 

 花は8−9月頃咲きます。 とても小さく、長さは1〜2mmほど。

花柄はなく、細長い穂状花序につきます。 萼片は5個、花弁は3

個。 この点はヒメハギ属と同じです。 5個の萼片は長さ1mm

にも満たないほどで披針形、うち2個がやや大きいです。 3個の

花弁は基部で合着し、上方に2個が並び、下方の1個は先端部が丸

みを帯びて竜骨弁状になります。 この下方の花弁の先端には、

Polygala(ヒメハギ属)のような房状の付属体はありません。


 写真では花の中に隠れて見えませんが、雄しべは4個です。同じ

ヒメハギ科でもPolygalaのカキノハグサ、ヒナノキンチャク、ヒ

メハギは、8個の雄しべを持っています。 SalomoniaPolygala

の大きな相違点です。

 

 

蒴果は扁平な腎形で、縁に小さな刺があります。

これもPolygalaにはない特徴です。

 

 

 花の小ささが伝わるように、10円玉と一緒に写して

みました。「こんなに小さいの?」と思われたのでは?

10円玉が巨大に見えます!

 

2014.11.02 掲載

 

ヒナノカンザシが掲載されたページ

 Dairy-Hiroダス

  2014年9月21日 栃木県で観察会

  2011年8月20日 千葉県の湿原