ソナレセンブリ

 

磯馴千振 リンドウ科 センブリ属

Swertia noguchiana

日本固有種  絶滅危惧Ⅱ類(VU)

ソナレセンブリ      2009.11.08 静岡県
                  ソナレセンブリ      2009.11.08 静岡県

 

昨年(2009年11月)、初めてソナレセンブリに逢うために

伊豆を訪れた。 初日の夕方、数年来ネット上でお付き合いの

あった、福島県ご在住の花の先輩のYさんご夫婦に偶然お会い

することができた。 翌日にはやはりネット上でお世話に

なっていた花の大先輩のMさんも群馬県から駆けつけられ、

花散策にご一緒させて頂けることになった。また以後大変

お世話になる、長野県から来られたフォトグラファーのKさん

ともこの日初めてお会いすることができ、私たちにとっては

奇跡の初対面が2日続けこったのだった

 

            ソナレセンブリ     2009.11.08 静岡県
            ソナレセンブリ     2009.11.08 静岡県

 

静岡県ご在住のMさんから頂いた情報で初日に訪れた

場所は、株は多かったものの花はほとんど終ってしま

っていた(Mさん、どうもありがとうございました!)。

二日目は先輩方に別の場所に案内して頂き、まだ咲いて

いる姿を見ることができた! 但し滑落と落石の心配を

しなければならないような、とんでもない場所だった。

 

            ソナレセンブリ     2009.11.08 静岡県
            ソナレセンブリ     2009.11.08 静岡県

 

花冠裂片の紫色のすじが美しい。 裂片の根元に2つ

づつある、黄色い蜜溝が実にチャーミングで同じ

センブリ属のアケボノソウを連想させる。


            ソナレセンブリ     2009.11.08 静岡県
            ソナレセンブリ     2009.11.08 静岡県

 

蟻が蜜腺溝に集まっている。

甘い蜜を分泌しているのだろう。

 

            ソナレセンブリ     2009.11.08 静岡県
            ソナレセンブリ     2009.11.08 静岡県

 

葉の様子は他のセンブリ属と大きく異なる。小さな楕円形で、

厚く、光沢がある。海岸性植物の特徴的な形態。名に「磯馴れ」

(ソナレ)がつくのも納得できる。 強烈な紫外線、高温、乾燥、

潮風、強風 などの海岸の過酷な環境に適応した植物なのだ。

 

              ソナレセンブリ     2009.11.08 静岡県
              ソナレセンブリ     2009.11.08 静岡県

 

ソナレセンブリ

 

海岸の崖などに生える1年草。 高さ5〜15cm。 葉は対生しやや多肉でほぼ無柄。 先は丸く、主脈がへこむ。 萼裂片は花冠の裂片よりかなり短い。 花冠は白色〜淡紫色で、紫色の縦脈が目立つ。 裂片の長さは約1.5cmで、基部に短い毛状突起のある黄色い蜜腺溝が2個ある。 花期は10〜11月。 伊豆半島及び伊豆諸島に分布。

 

2010.07 掲載


コメント: 2 (ディスカッションは終了しました。)
  • #1

    良竿 (金曜日, 08 10月 2010 08:57)

    おはようございます。
    ソナレセンブリ見事に撮られましたね。
    山野草ブームになって盗掘や踏み込みが増え、貴重な山野草は人が近づけない絶壁に僅かに残っている程度なのが残念です。

    房総半島の磯も環境が似てますのであるかもしれません。
    探してみます。

  • #2

    hanasanpo (金曜日, 08 10月 2010 22:17)

    良竿さん、こんばんは!
    盗掘は本当に大きな問題であると思います。開発による環境の悪化などで激減している稀少種に非情な追い打ちをかけ、トドメを刺すのが盗掘だと思っています。ネットの中ではどう見ても盗掘してきたとしか思えない種を植木鉢に入れた写真を誇らしげに掲載したり、売買しているのを見かけます。そんなサイトをうっかり開いてしまうと、暗い気持ちになってしまいます。

    ソナレセンブリは房総半島にもいないものかと、私も考えたことがあります。もし見つかったら大発見です。海べりを歩くことに慣れていらっしゃる良竿さんなら、見つけられるかも知れませんね!見つかったら、ぜひぜひご連絡を!

 

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