タマノカンアオイ

 

多摩の寒葵 ウマノスズクサ科 カンアオイ属 カンアオイ節

Asarum tamaense

絶滅危惧Ⅱ類(Vulnerable) 

タマノカンアオイ  2012.05.13  東京都八王子市
 タマノカンアオイ  2012.05.13  東京都八王子市

 

 関東地方西南部の丘陵や低山の林内に生える、常緑の多年草です。 茎は黒紫色で地を這い、葉には長い柄があります。 和名は東京都の多摩丘陵で発見されたことに由来します。 花期は3〜4月。 関東地方西南部に自生するのは、本種とカンアオイ(カントウカンアオイ)、そしてランヨウアオイの3種のみといわれています。

 

花と葉  2012.05.13  東京都八王子市 (T地点)
 花と葉  2012.05.13  東京都八王子市 (T地点)
葉の表面  2012.05.13 東京都八王子市 (T地点)
 葉の表面  2012.05.13 東京都八王子市 (T地点)

 

 葉は卵円形〜広楕円形で、長さは5〜12cm。 基部は深い心形となり、表面は暗緑色で鈍い光沢があります。 白色または淡緑色の斑点があることが多いです。 葉の表面の脈は凹みますが、それが著しく目立つというほどではありません。 葉の縁にはやや密に、表面にはごくまばらに微毛が有りました。 とても短い毛なので、写真ではわかりにくいかも知れません。

 

タマノカンアオイ 2010.04.14 東京都八王子市
 2010.04.14 東京都八王子市

 

 1つの株は大人の手と比べると、だいたいこんな大きさです。 花は葉をかき分けないと見えないことが多いです。 花は地面に接するほど低い位置につきます。  半ば埋もれるようにして咲いていることもあります。  色合いはかなり地味な暗紫褐色です。

 

タマノカンアオイの花  2010.04.14 東京都八王子市
 タマノカンアオイの花  2010.04.14 東京都八王子市

 

 花は直径約3cmで、葉柄の基部につきます。 萼は3裂し、裂片は卵状三角形で、大きく波打つのが特徴です。 萼裂片の内面には、短毛が密生しています。 萼筒の入口には環状のつばがあり、その外側の白っぽくブツブツした多数の突起がとても印象的です。

 

タマノカンアオイの花  2012.05.13 東京都八王子市
 タマノカンアオイの花  2012.05.13 東京都八王子市

 

 雄しべは12個、花柱は6個あります。 花柱の上部は2裂しません。 また図鑑には「花柱の先は、やや鉤形(かぎがた)に曲がる」とあるのですが、それが明確にわかる写真はまだ撮影できていません。 上の写真で萼筒開口部の中に見える白っぽく線状の部分が花柱の先と思いますが、上から見ているので、鉤形に曲がった様子は明確にはわかりません。

 

タマノカンアオイの花の側面-1 2012.05.13 東京都八王子市
 花の側面-1 2012.05.13 東京都八王子市
タマノカンアオイの花の側面-2 2012.05.13 東京都八王子市
 花の側面-2 2012.05.13 東京都八王子市

タマノカンアオイの花の側面-3 2012.05.13 東京都八王子市
 花の側面-3 2012.05.13 東京都八王子市
タマノカンアオイの花の側面-4 2014.05.01 東京都八王子市
 花の側面-4 2014.05.01 東京都八王子市

 

 花の側面です。 図鑑には「萼筒は先がやや開いた筒型」とありました。 しかしあまり開いたように見える花は少なく、観察した花はほぼ筒型に見えました。 写真「花の側面-4」を見るとわかりますが、萼裂片の外側には毛がありません。

 

 花の側面の写真は良いものがなかったので、数で補おうと4枚並べました。  小さいですがクリックすれば拡大します(スマホはタップとピンチイン・アウトで拡大縮小)。


2014.05.01  東京都八王子市
 2014.05.01  東京都八王子市


 葉柄の色は暗紫色〜淡緑色と変化に富みます。


2014.05.01  東京都八王子市
 2014.05.01  東京都八王子市

 

2015.11.15 掲載