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. 8月22日-23日   コースタイムは正確に

 

遅い夏休みを取りました。

以前より見たかった花を探しに行くことにしました。

昨年から計画を練っていたので、今回こそはと期待に胸を膨らませて・・

 

ところが出発の前々日に別の花の開花情報を頂いたので、

一日前倒しで出発し、その花を見てから目的地に向かうことにしました。

その花を見たくて過去に数回訪れていましたが、

終わってしまっていたり、開花がなかったりだったのです。

今回は確実な情報なので、ワクワク~

 

現地に到着すると先客の方がいらして、すでに撮影を始めていました。

お花好きさんには、よく知られているようですね。

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私たちも撮影開始。

ツリシュスランがしゅるっと咲いておりました。

 

ツリシュスラン (吊繻子蘭) ラン科 シュスラン属
ツリシュスラン (吊繻子蘭) ラン科 シュスラン属
ツリシュスラン

 

高い木の上ですから、花を間近で見ることはできません。

でもやっとこさ見ることができたねえ~

葉は細かいなあ、昔見たものはヒロハだったのかも知れない。

 

ツリシュスラン

 

こんな高い木の上で美しい花を咲かせているなんて、

なんとも気品があって、ツリちゃんのプライドのような気迫を感じるわあ~

 

ツリシュスラン

 

近くにジンバイソウも咲いていたのだけれど・・

ない! 全くない!

私たちは一株咲いているのを見たことあったのだけど、

実は数株あったらしい。 それらがひとつもない。

間違いなく盗掘だろう。

けしからん!!

売る人買う人、両方に罪を与えますぞ~~🔥

 

ここから大移動します。

明日の山登りに備えてホテルでゆっくりと・・

相方はぐーすか眠れたようだけど、

なんだか私はよく眠れなかった。

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さて当日。 お山の天候はずっと雨だったそうだが、

今日は日差しがある。

お山はすっかり秋の準備状態なって、花は限られたものになっている。

見られたお花をどうぞ。

 

ウサギギク (兎菊) キク科 ウサギギク属  兎の耳を思わせる葉の形が名の由来
ウサギギク (兎菊) キク科 ウサギギク属  兎の耳を思わせる葉の形が名の由来

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ヨツバシオガマとミヤマリンドウ  両種とも日本固有種
ヨツバシオガマとミヤマリンドウ  両種とも日本固有種
ミヤマリンドウ (深山竜胆) リンドウ科 リンドウ属  高山の青空のように色が濃い個体が多かった
ミヤマリンドウ (深山竜胆) リンドウ科 リンドウ属  高山の青空のように色が濃い個体が多かった

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エゾシオガマ (蝦夷塩釜) ハマウツボ科 シオガマギク属  日本固有種
エゾシオガマ (蝦夷塩釜) ハマウツボ科 シオガマギク属  日本固有種
エゾシオガマ  花冠はねじれて横向きに咲きます
エゾシオガマ  花冠はねじれて横向きに咲きます

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サクライウズ (桜井鳥頭) キンポウゲ科 トリカブト属 たくさん見られた
サクライウズ (桜井鳥頭) キンポウゲ科 トリカブト属 たくさん見られた
サクライウズはキタザワブシの変種とする説と、キタザワブシとする説があるようです
サクライウズはキタザワブシの変種とする説と、キタザワブシとする説があるようです

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オオバタケシマランは赤い果実になっていた。 大葉竹縞蘭 ユリ科タケシマラン属
オオバタケシマランは赤い果実になっていた。 大葉竹縞蘭 ユリ科タケシマラン属

 

久し振りの高山で、体が慣れない・・

口が渇く。 酸素が薄いので口呼吸になっているんだろう。

こめかみから締め付けられるように頭が痛く、

眼球が飛び出しそうに痛む。

やれやれ~どうなることやらー

 

相方はデカっ腹を運ぶために慎重に歩いていました。

テレワークおっさんは運動不足なので、

とにかくケガをしないようにと心がけていました。 

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ミヤマコウゾリナ (深山顔剃菜) キク科 ヤナギタンポポ属 日本固有種
ミヤマコウゾリナ (深山顔剃菜) キク科 ヤナギタンポポ属 日本固有種

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ミソガワソウ (味噌川草) シソ科 ヤマハッカ属 日本固有種
ミソガワソウ (味噌川草) シソ科 ヤマハッカ属 日本固有種

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チシマギキョウ (千島桔梗) キキョウ科 ホタルブクロ属
チシマギキョウ (千島桔梗) キキョウ科 ホタルブクロ属

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ヒメウスユキソウ (姫薄雪草) キク科 ウスユキソウ属 日本固有種 準絶滅危惧
ヒメウスユキソウ (姫薄雪草) キク科 ウスユキソウ属 日本固有種 準絶滅危惧

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トウヤクリンドウ (当薬竜胆) リンドウ科 リンドウ属  立派な株があったが、花を閉じてしまっていた
トウヤクリンドウ (当薬竜胆) リンドウ科 リンドウ属  立派な株があったが、花を閉じてしまっていた
トウヤクリンドウ  わずかに開いている花があった
トウヤクリンドウ  わずかに開いている花があった

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イワベンケイ (岩弁慶) ベンケイソウ科 イワベンケイ属  雌雄異株。上は雌株と思われる
イワベンケイ (岩弁慶) ベンケイソウ科 イワベンケイ属  雌雄異株。上は雌株と思われる
イワベンケイ  稜線上の株は果実を作り始めていた
イワベンケイ  稜線上の株は果実を作り始めていた

  

ゆっくりですが、初日の行程をクリアできた。

登山が好きではないので、無理ないプランを立てていました。

山小屋に入って体を休めて、寝不足解消にと夕飯まで

昼寝しようとしていたのに、

ご年配の団体がやって来て、大声でがやがや、わいわい~

あーー眠れませんわあ~

 

昼食が遅かったので、空腹感もないまま夕食に・・

残すのは申し訳ないので、無理やり口に放り込んだ。

頭痛はぬぐえないまま眠りにつく。

相方も慣れない環境のせいか、ほとんど眠れずにいたそうだ。

 

翌朝、朝ごはんを頂いて出発。

ガスって視界が悪く、冷たい強風が吹き荒れているーー

 

雨こそ降っていなかったが、強風が吹き荒れガスで視界も悪い中、出発した
雨こそ降っていなかったが、強風が吹き荒れガスで視界も悪い中、出発した

  

 

これは遭難レベルだ、と相方が口走ったので、少々不安がよぎる・・

コースタイムが長くなかったので、

へなちょこ歩きの二人でも行けると判断したんだけど、

大丈夫なんだろうか??

 

しばらくガスが晴れないまま、岩がゴロゴロで歩きにくいルートを進む。

ガスは少々切れて晴れ間も見えましたが・・

このコースタイムはどうみても嘘だろうよ!!

相当な健脚者が、荷物もなしで、走るようにしたら着くかもしれないが、

走れるような場所はほとんどないに等しい。

 

目的の場所まで近づいたが・・

休憩をはさみ2時間半は歩いている。

アップダウンも相当なものです(HiroKen基準)。

二人とも体力は残っているし、まだ先に進める余裕はありましたが・・

これから目的地に着いて花を探し、撮影をして帰るとなると、

更に2時間以上はこの山域に滞在しなきゃならない。

今日は山小屋に戻るだけならいいが、そうではなく

完全に山を下山し、帰らなければならない。

当然ながら帰るためにタイムリミットがある。

 

短い時間のコースタイムに騙されたわあ~

下山するための体力も残さなきゃいけないし、

時間に追われて慌ててしまいケガでもしたら大変なことになる。

自分たちのへっぽこぶりは十分わかっているつもりだ。

悩みに悩んで、勇気ある撤退を決めた。

お花を見たかったあーー 悔しいなあ~

悔しいけれど、花より自分たちの体力と安全を優先しました。

 

いつかまた求めていた花を見たくなったら、また来てみよう。

山小屋は2泊になるなあー

お風呂なし、ぼっとんトイレがとってもしんどいがあ~

 

帰路の途中で散策している方に出逢った。

目的の場所近くまで行ったが、体力・天候を考え途中で断念したと伝えたら、

「それで正解ですよ」と言われた。

天候が荒れてきているし、ここはかなり厳しいルートだと。

周辺の山歩きをたくさん経験されている方が言うのであれば、間違いないね。

 

稜線は吹き飛ばされそうな強風と、真っ白なガスが立ち込めていた。

体感温度はこの時期の下界からは想像できないほどに低い。

もっと悪天候になっていたらと思うと、引き返してよかったと安心した。

重い荷物を背負って下山した。

相方は足の痛みがひどくならずに済んで、

私も低い標高に下ってきたら頭痛が治った。

軽い高山病状態だったのかも知れないな。

 

見たかったお花は見られませんでしたが、現地で詳しい方にお尋ねし、

目的地としていた場所に、間違いなく咲いていることはわかりました。

へっぽこが故に慎重になっていたことが幸いしたと思って、

もし気持ちが向かったら、また憧れのお花に逢いに行くかもしれません。

 

 

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本編とは関係ありませんが、最近読んで、日本の登山文化について理解がとても深まったと思えたページをご紹介します。

 

登山文化の危機! 山小屋ヘリコプター問題