花さんぽ 2007-14                          ←前へ  下へ▼  次へ→

 

 5月19−20日(日)  早春の野反湖 (群馬県)

 イワナシ (岩梨) ツツジ科 イワナシ属  2007.05.20 野反湖
 イワナシ (岩梨) ツツジ科 イワナシ属  2007.05.20 野反湖

 

 花シーズンが本格スタートした5月のある日。 野反湖に呼ばれた気がして、急遽向かうことにしました。 野反湖は私たちの花観察のホームフィールドですが、なぜかこの時期(5月後半)には行ったことがありません。 前日の金曜日に「明日、行こう!」と思い立ち、実行に移しました。

 

イワナシ
 イワナシ


 5月ですが、標高1500メートルを超える野反湖では、季節は早春です。

 

 イワナシが見頃でした。 今までは早すぎて蕾だったり、逆に終わりかけていたりでした。 今回は元気いっぱいの姿を見ることができました。 早春の野反湖に相応しい、かわいい花です。 小雨が降りしきる天候ではありましたが、訪れた甲斐がありました。

 

 散策路脇の崩れかけた斜面などで見ることが多いです。 野反湖西岸の散策路に多いですが、他の場所にもたくさんいます。今回の写真は東岸方面にあたる、八間山の北側登山道入口付近で撮影したものです。 

 

 

イワナシ
 イワナシ

 

 ツツジ科イワナシ属の常緑小低木です。茎は赤褐色の粗い毛を持ち地上を這います。 葉は互生し、短い柄があります。 葉は卵形で先端は尖り、縁に褐色の粗い毛が疎らに生えます。

 

 花は薄紅色で、この日は雨に濡れて、一際透明感がありました。 萼は深く5裂し、鐘形の花冠の長さは約1cmで、先端が5裂し広がります。

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ナエバキスミレ (苗場黄菫)
 ナエバキスミレ (苗場黄菫)

 

ナエバキスミレ 冷たい雨に濡れそぼつながらも

健気に咲いていました。 寒そうですが こんな

姿もいいものです。  八間山の登山道にて。

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シラネアオイ (白根葵) キンポウゲ科(APG体系) 植栽
 シラネアオイ (白根葵) キンポウゲ科(APG体系) 植栽

 

冷たい雨で花弁状の萼片を閉じてしまっていましたが、

雨の中で見るシラネアオイもまたよいものです。

野反峠から徒歩7分ほどの植栽地での撮影です。

 

シラネアオイ
 シラネアオイ

 

なんとか萼片を開いている花を見つけました。

 

野反湖には自然種のシラネアオイもいます。

植栽地ほどには簡単に行けず、まだ遠目でしか

見たことがありません。 自然種は植栽された

ものとは色が違うとのことで、ぜひ間近で見て

みたいと思っています。

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ヒメイチゲ (姫一華) キンポウゲ科
 ヒメイチゲ (姫一華) キンポウゲ科

 

ヒメイチゲ 小さく可憐な花です。

もう結実しているようでした。

 

マイヅルソウは、まだ蕾でした。
 マイヅルソウは、まだ蕾でした。
野反湖のショウジョウバカマはちっこい! 亜高山帯で寒いせいか? 高さは10cmあるかどうか。
野反湖のショウジョウバカマはちっこい! 亜高山帯で寒いせいか? 高さは10cmあるかどうか

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ユオウゴケ (硫黄苔) ハナゴケ科
 ユオウゴケ (硫黄苔) ハナゴケ科
ユオウゴケ撮影中
ユオウゴケ撮影中

 ユオウゴケは植物ではなく、菌類と藻類の共生体である、地衣類です。 特別珍しくはないかも知れませんが、八間山には、なかなか見ることはできないと思われる大きな群生地があります。

 

 先端部の朱色の部分の形から連想したのか、「モンロー・リップ」などと呼ばれることもあるそうです。 この名前はインパクトがあるようで、人に教えると一回で覚えてもらえます。 よろしかったら、ユオウゴケのページもご覧ください。  →ユオウゴケのページへ

 

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 野反湖の自然を堪能し、帰路つきました。 国道405号で

下る途中で脇道に入ると、和光原という別荘地があります。

標高は1150m前後でしょうか。 2km近い直線ダートがあ

ったりします。 時間があったのでそのあたりをぶらついて

みたら、スミレの仲間が咲いていました。

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 サクラスミレ  2011.05.20 群馬県 六合村
 サクラスミレ  2011.05.20 群馬県 六合村
アカフタチツボスミレ
 アカフタチツボスミレ
ニョイスミレ
ニョイスミレ


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 話しは思いっきり前後してしまいますが、前日野反湖に向かう途中で、素晴らしい場所を見つけました。 野反湖に行く時は、いつも中之条町で買い物や休憩をしてから向かいます。 その中之条町で、偶然ヤマブキソウの群生地を見つけました。 斜面一面に咲き乱れ、見事なものでした。

 

ヤマブキソウ (山吹草) ケシ科 ヤマブキソウ属 2007.05.19 群馬県中之条町
 ヤマブキソウ (山吹草) ケシ科 ヤマブキソウ属 2007.05.19 群馬県中之条町
ヤマブキソウ
 ヤマブキソウ

 しかし車道脇にあり、しかもこの道路は近々拡幅される計画があるようです。 残念ながら、この姿を見れるのもあとわずかかも知れません。 中之条町には、まだ他にも花スポットがあるようです。 機会があったら、探索してみようと思います。

 

 

        出会えた花たち(五十音順)

No. 和名 漢字表記 科名 観察場所
1 アカフタチツボスミレ 赤斑立坪菫 スミレ 和光原
2 イワナシ 岩梨 ツツジ 野反湖
3 ニョイスミレ 如意菫 スミレ 和光原
4 サクラスミレ 桜菫 スミレ 和光原
5 ショウジョウバカマ 猩々袴 シュロソウ 野反湖
6 シラネアオイ 白根葵 キンポウゲ 野反湖
7 ナエバキスミレ 苗場黄菫 スミレ 野反湖
8 ヒトリシズカ 一人静 センリョウ 暮坂峠
9 ヒメイチゲ 姫一華 キンポウゲ 野反湖
10 フタバアオイ 双葉葵 ウマノスズクサ 暮坂峠
11 マムシグサ 蝮草 サトイモ 中之条町
12 ヤマブキソウ 山吹草 ケシ 中之条町
13 ユオウゴケ 硫黄苔 ハナゴケ(地衣類) 野反湖
14 ユキザサ 雪笹 キジカクシ 中之条町

科名が黄色い文字となっている植物は、当サイトのAPG分類体系への移行で科名が変更になったものです。2013.10.11

 

オリジナルレポート表紙
オリジナルレポート表紙

 

2012.01.01 掲載

 

コメント: 2 (ディスカッションは終了しました。)
  • #1

    一秋 (金曜日, 10 7月 2020 23:02)

    ウスバスミレ ⇒ ツボスミレ(ニョイスミレ)

  • #2

    Hiro (金曜日, 10 7月 2020 23:42)

    一秋さま
    ご指摘ありがとうございます。
    ニョイスミレです。