花さんぽ 2007-17                          ←前へ  下へ▼  次へ→

 

 6月16-17日     初夏の野反湖 (その1)

オリジナルレポートの表紙写真をそのまま使ってみました。
 オリジナルレポートの表紙写真をそのまま使ってみました。

野反湖を訪れた人がまず見るのがこの風景。 私は来る度に必ず

写真を撮ります。 いつも変化があり、何度見ても飽きません。

 

 6月中旬。 野反湖はとっくに花シーズンが始まっています。 毎週でも行きたいですが仕事の都合もあり、先立つモノも必要であり、そうもいきません。 しかし今回は別な意味でも早く行きたかったのです。


 数日前に野反湖の友人・中村一雄さんから、野反湖近辺に局地的に猛烈な雹(ヒョウ)が降って、シラネアオイの植生地は壊滅状態、他の花も甚大な被害を受けたとの連絡があったのです。 メールで送られて来た写真には、無惨に葉が破けたシラネアオイ達が写っていました。 天気予報でも「野反湖で62mmの記録的な豪雨」と報じていました。 人的被害はなくよかったですが、花たちが気になります。 特にこの時期すでに大きな葉を展開している、大好きなサンカヨウが心配でした。

 

猛烈な降雹でボロボロになったサンカヨウの葉
猛烈な降雹でボロボロになったサンカヨウの葉

 野反湖に到着して間もなく、中村さんと共にサンカヨウの群生地に分け入りました。「これはひどい!」目を覆いたくなるような惨状でした(右の写真)。 サンカヨウたちの多くはなぎ倒され、かろうじて立っているものも葉がボロボロでです。 マシンガンで打たれたように穴だらけ。 とてもこれから花を咲かせられる状態ではないと思いました。

 

 悪意を持った人間が、棒を振り回し叩き倒して足で踏みつけたなら、きっとこうなるでしょう。 しかしこれは自然現象の、雹の仕業なのです。 大粒の雹が、場所に寄っては20cmも積もったとのこと。 柔らかく大きな葉を展開する、サンカヨウやシラネアオイのような植物の被害が、特に大きかった。 花たちのこんな姿を見るのは、とても胸が痛みました。

 

 しかし、冷静になって考えてみると、太古からこの程度の自然現象はいくらでもあったのではないでしょうか? はるかに厳しい氷河期を生き延びて来た植物たちです。 きっと強烈な雹が降る事もあるのは、折り込み済みでしょう。 こんな程度で全滅するなら、ずっと以前にいなくなっていたはず。 サンカヨウも、来年にはきっと何事もなかったかのように、花をつけるのではないかな? そう期待したい。 葉や花が小型の植物たちの被害は小さかったです。 また雹も野反湖全域に降った訳ではなさそうです。

 

 さて、中村さんのご案内で出会えた花たちを紹介していきます。

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シャク (セリ科)
 シャク (セリ科)

 

1つの花序の外側の花は、5つある花弁の1つが

大きいのがシャクの特徴。 沢近くに多い花です。 

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クリンユキフデ (タデ科)
 クリンユキフデ (タデ科)

 

クリンユキフデは、九輪雪筆と書きます。 とても

エレガントな名前ですが、一見地味に見えます。

ところが、拡大して見ると美しい花なのです。

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ズダヤクシュ (ユキノシタ科)
 ズダヤクシュ (ユキノシタ科)

 

ズダヤクシュは、小さな小さな森のベル。なんとも

可憐な花。 ゼンソクの薬として重宝されたらしい

ですよ。

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ツバメオモト (ユリ科)
 ツバメオモト (ユリ科)

 

大きく広げたツバメオモトの葉はみずみずしく柔らかい。

茎の先の直径15mmほどの白花は白く、とても清楚です。 

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ズミ (バラ科)
 ズミ (バラ科)

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エゾノコリンゴ (バラ科)
 エゾノコリンゴ (バラ科)

 

野反湖には木の花も多い。上の2種はよく似ています。

ズミの別名をコリンゴと言うほどです。 満開でした。

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イワカガミ (イワウメ科)
 イワカガミ (イワウメ科)

 

イワカガミは色も形も大好きです。 野反湖

では散策路に点在しますが、野反峠付近のお

花畑には特に多く見ることができます。

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 ノビネチドリ (延根千鳥) ラン科 ノビネチドリ属
 ノビネチドリ (延根千鳥) ラン科 ノビネチドリ属
 ノビネチドリ (延根千鳥) ラン科
 ノビネチドリ (延根千鳥) ラン科
ノビネチドリの白花
 ノビネチドリの白花

 

ノビネチドリ (ラン科)

 

ノビネチドリは、中村一雄さんに指摘されるまで、ハクサンチドリだと思っていました(恥)。 ハクサンチドリテガタチドリは葉の縁がまっすぐですが,本種では波打つのが識別のポイント(と後で知った)。 野反湖においては生育している場所はかなり限定されます。 目立つ場所なので盗掘が心配です。

 

右のノビネチドリの白花は今回の撮影ではなく、2005年6月19日に撮影したもの。以後、白花にはお目にかかっていません...。

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モウセンゴケ (毛氈苔)
 モウセンゴケ (毛氈苔)
ベニバナイチヤクソウ (紅花一薬草)
 ベニバナイチヤクソウ (紅花一薬草)

 

(左)モウセンゴケ (モウセンゴケ科)

 葉の先に腺毛があり、粘液を分泌して小さな昆虫を捕まえる食中植物。

 湿地に生えます。 写真をクリックして拡大してみてください。

 

(右)ベニバナイチヤクソウ (イチヤクソウ科)

 うつむき加減の花は小さいが、群生するので目立ちます。まだ蕾でした。

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ミツバオウレン (三葉黄蓮)
 ミツバオウレン (三葉黄蓮)
オオバミゾホオズキ (大葉溝酸漿)
 オオバミゾホオズキ (大葉溝酸漿)

 

(左)ミツバオウレン (キンポウゲ科)

 こういう小さい可憐な花が好きです。 白い花弁に見える部分は、

 実は蕚。花弁は黄色に見える部分で、退化して小さくなっています。

 

(右)オオバミゾホオズキ  (ハエドクソウ科)

 沢沿いに咲きます。 黄色く、群れて咲くので目立ちます。

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コケイランのツボミ
 コケイランのツボミ

コケイラン (ラン科)

 

 コケイランです。 まだ蕾です。 初対面です! まだ蕾でもコケイランはコケイラン。 中村さんの案内で、出会えました。 今年最高の花ですね。 奥地ではなく国道脇ですが、案内されないと見つけるのは困難と思われる場所でした。 長い葉を目印に捜しました。 茎や蕾は背景に溶け込んで指を指されてもすぐにはわからない。 来週には咲くかな? 見に来ない訳には行かないね。

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 オノエラン まだ蕾でした。
 オノエラン まだ蕾でした。
コツマトリソウ (小褄取草) サクラソウ科
 コツマトリソウ (小褄取草) サクラソウ科
ハクサンチドリ (白山千鳥) ラン科
 ハクサンチドリ (白山千鳥) ラン科

 

(左)コツマトリソウ (キンポウゲ科)

 初対面でした。 ツマトリソウより一回り小さい。 白い花びらに見える

 部分は実は蕚です。 花弁は退化し、小さく黄色に見える部分です。

 

(右)ハクサンチドリ (ラン科)

 この花も初対面。 まだ蕾でしたが貫禄があります。

 別名シラネチドリ。 コツマトリソウの近くに咲いていました。

 この花も中村さんの案内で見ることができました。

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ヤマトユキザサ (大和雪笹) 
 ヤマトユキザサ (大和雪笹) 
コヨウラクツツジ (小瓔珞躑躅)
 コヨウラクツツジ (小瓔珞躑躅)

 

(左)ヤマトユキザサ (キジカクシ科) 別名:オオバユキザサ

 初対面。名の通り葉はササに似る。花弁は緑色なので目立たない。

 

(右)コヨウラクツツジ (ツツジ科)

 初対面。小さなかわいい花を付けていた。

 

ヒロハテンナンショウ (広葉天南星) サトイモ科
ヒロハテンナンショウ (広葉天南星)
モミジイチゴ (バラ科) かな?
 モミジイチゴ (バラ科) かな?

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サンリンソウ (キンポウゲ科)
 サンリンソウ (キンポウゲ科)

 

サンリンソウは野反湖では1カ所だけで、見ることが

できます。 逆にどこでもよく見るニリンソウは、野

反湖にはいません。白い花弁に見える部分は萼片です。

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マイヅルソウ (キジカクシ科)
 マイヅルソウ (キジカクシ科)

 

マイヅルソウは、野反湖ではたくさん

見られます。 ちょうど見頃でした。 

 

 

ムラサキヤシオツツジを撮る中村さん。

数々の花を見せていただき、多謝!

黙ってこういう写真を撮ると「隠し撮り

は、魂を抜かれる」といやがります。

 

 

 野反湖の奥地でパトカーと記念撮影できる

チャンスは、とっても少ないです。あの広大

な六合村に、駐在さんはなんと一人しかいな

いそうです。 でも、平和な村だから...

 

 

今回初めてバンガローを使いました。なかなか

快適でした。 六合村のご厚意の招待券を使用。

ありがとうございます。バンガロー泊はテント

泊より圧倒的に荷物を少なくできます。

 

 

今回出会えた花たち (五十音順、は初対面の花)

(リンク先は花の専用ページです)

No.

写真

掲載

花の名 漢字名 科名 お初
1 イワカガミ 岩鏡 イワウメ  
2 エゾノコリンゴ 蝦夷の小林檎 バラ
3   オオバタケシマラン(蕾) 大葉竹縞蘭 ユリ
4   オオバツツジ(葉) 大葉躑躅 ツツジ
5 オオバミゾホオズキ 大葉溝酸漿 ハエドクソウ  
6   オノエラン(蕾) 尾上蘭 ラン  
7   キジムシロ 雉蓆 バラ  
8   キバナウツギ 黄花空木 スイカズラ
9   ギンリョウソウ 銀竜草 ツツジ  
10 クリンユキフデ 九輪雪筆 タデ  
11   クルマムグラ(蕾) 車葎 アカネ  
12 コケイラン(蕾) 小蕙蘭 ラン
13 コツマトリソウ 小褄取草 サクラソウ
14   コバイケイソウ 小梅蕙草 シュロソウ  
15 コヨウラクツツジ 小瓔珞躑躅 ツツジ
16 サンカヨウ(葉) 山荷葉 メギ  
17 サンリンソウ 三輪草 キンポウゲ  
18 シャク
セリ  
19 ズダヤクシュ 喘薬種 ユキノシタ  
20 ズミ 酢実 バラ  
21   ゼンテイカ(蕾) 禅庭花 ユリ  
22   タケシマラン 竹縞蘭 ユリ  
23   タチツボスミレ 立坪菫 スミレ  
24 ツバメオモト 燕万年青 ユリ  
25   テングクワガタ 天狗鍬形 オオバコ  
26   ニョイスミレ 如意菫 スミレ  
27 ノビネチドリ 延根千鳥 ラン  
28 ハクサンチドリ 白山千鳥 ラン
29   ヒメイチゲ(果実) 姫一華 キンポウゲ  
30 ヒロハテンナンショウ 広葉天南星 サトイモ
31   フキ(綿毛) キク  
32 ベニバナイチヤクソウ 紅花一薬草 ツツジ  
33 マイヅルソウ 舞鶴草 キジカクシ  
34 ミツバオウレン 三葉黄蓮 キンポウゲ  
35   ムラサキヤシオツツジ 紫八染 ツツジ  
36 モウセンゴケ 毛氈苔 モウセンゴケ  
37 モミジイチゴ 紅葉苺 バラ
38 ヤマトユキザサ 大和雪笹 キジカクシ

 

最後まで見ていただき、どうもありがとうございます。

 

2012.01.04 掲載

 

オリジナルレポート表紙
オリジナルレポート表紙

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