ギンランの奥の間

.     これぞ、「銀蘭」! アルビノギンラン

ギンランの特別ページです。

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#1 アルビノギンラン(ギンランのアルビノ突然変異体) 2020.04.29 東京都
#1 アルビノギンラン(ギンランのアルビノ突然変異体) 2020.04.29 東京都

 

 自宅近くの緑地。 4日前に発見し、そのときは遠目に見てアルビノキンランだと思い、花が開花する頃また来てみようと思いました。 周辺に咲く普通のキンランと比べてかなり小さく、ギンランほどの大きさしかなかったので、あまり栄養状態が良くないのだろうと思っていました。

 

 そして本日、まだ人が少ない早朝に行ってみました。 撮影を始めましたが...

花を見て、あれ? キンランと形が違うぞ? この突き出した距は... ギンランだ!  アルビノのギンランの存在は知っていましたが、見るのは初めてです。 草丈は目測で12〜13cm。 初めて見つけたので、この株を「1号」と名付けました。

 

#2 アルビノギンランの花序  開花直前か
#2 アルビノギンランの花序  開花直前か

 

 全体に緑色を帯びた部分はなく、花茎と花柄はやや淡黄色を帯びますが、葉と花は、ほぼ白色に見えました。 「これぞ、銀蘭!」と思いました(アルビノキンランのときに「これぞ、金蘭!」と思ったのと同じ反応...)。 4日前に見たときは、もう少し全体が淡黄色を帯びていて、このためアルビノキンランであると思ってしまいました。

 

 この株は10個ほどの花をつけていました。 開花直前の状態に見えます。 ギンランの花は開花しても平開することは滅多にありませんが、もう少し開いた状態も見てみたいものです。

 

 アルビノ突然変異体は葉緑素を欠いているため白っぽい色になりますが、色を除けば、少なくとも外見上は普通種とほとんど変わらないように見えました。 花の特徴的な突き出した距も同じように見えます。 もし触れることができたなら、葉が普通種よりも柔らかい、などの相違点があるのかも知れません。

 

#3 アルビノギンラン 2号
#3 アルビノギンラン 2号

 

 今回、同地で3株のアルビノギンランを見つけることができました。 それぞれ3〜4mの間隔を開けて生えていました。 植物体は小さいのですが、この時期他の植物がまだあまり背を伸ばしていないことと、白っぽい色で目立つので、比較的発見しやすい植物であると思います。 上の写真の個体は1号の次に見つけたので、2号と名付けました。

 

 2号は1号より少し若い感じです。 1号を見つけたときには気づきませんでした。おそらくまだ花茎を伸ばしていなかったか、非常に小さい状態だったのだろうと思います。

 

#4 アルビノギンラン 3号
#4 アルビノギンラン 3号

 

 2号とほぼ同時に発見した3号です。 2号より更に小さい。 1・2・3号を比べてみると、若い状態のときほど葉の黄色味が強いように思えます。 成長とともに白色に近くなっていくように見えましたが、その信憑性を確認するためには、更なる観察が必要です。

 

 ところで、なぜこのようなアルビノ突然変異体が発生するのでしょうか? 彼らはかなり変わった姿ですが、いわゆる「できそこない」ではありません。 むしろ逆なのです。 筆者はこのような植物は「進化の次のステップへ進もうとするチャレンジャー」であると思っています。 これについては、アルビノキンランのページで述べたので、興味がある方は覗いてみて下さい。

 

#5 アルビノギンラン 1号 別の角度から。ギンランの特徴的な距が見える
#5 アルビノギンラン 1号 別の角度から。ギンランの特徴的な距が見える

 

 撮影を終える頃、自転車に乗った中年男性がやって来ました。 リュックからカメラを出すと、真っ先にこのアルビノギンランたちを撮影していました。 自転車で来られたので、ある意味「ご近所さん」だと思います。 ご近所さんにこのような植物に興味がある方がいらっしゃるとわかり、ちょっとうれしくなりました。

 

 でもみなさま、もしこの植物を見つけても、珍しいからと持ち帰ることは絶対にしないで下さい。 キンランやギンランは「部分菌従属栄養植物」です。 葉緑素で光合成して作り出した栄養分はざっくり必要量の半分、残り半分は、コナラ・クヌギなどのブナ科の樹木の根と共生関係にある菌根菌から略奪して補っています。

 

 アルビノ種は葉緑素を欠いているので、必要な栄養素を100%、菌根菌に頼っています。 持ち帰って植木鉢に植えると菌根菌からの栄養が絶たれるので、確実に枯れます。 これはHiroKenが保証します。 まったく意味のない行為になるので、「お持ち帰り」は厳禁です。 尚、本種に限らず、たとえ植木鉢で生存できる植物であっても「お持ち帰り=盗掘」です。  ほとんどの場所で犯罪行為になるのでお止め下さい。

 

 

2020.04.29 掲載

 

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コメント: 2
  • #1

    花好きh (金曜日, 31 7月 2020 18:52)

    清らかな姿ですね。かわいらしくて真っ白い姿ですが、絶対に盗掘はやめてください。だって菌がないと育たないんですもんね。(それ以前にしてはいけないというルールなんです。)私も見てみたいなぁ。

  • #2

    Ken (金曜日, 31 7月 2020 22:51)

    花好きhさん、コメントをありがとうございます。
    初めて見ることができたアルビノギンランでした。意外だったのは、葉緑素がなく100%菌類からの養分に頼って生きているはずなのに、近くに咲く通常のギンランと同等か、より長くその形状を留めていたことです。