アケボノシュスラン

 

曙繻子蘭 ラン科 シュスラン属

Goodyera foliosa (Lindl.) Benth. ex C.B.Clarke var. laevis Finet

#1 アケボノシュスラン (曙繻子蘭) ラン科 シュスラン属 2008.09.15
#1 アケボノシュスラン (曙繻子蘭) ラン科 シュスラン属 2008.09.15

 

 2008年9月。 あるブログで「アケボノシュスランが咲き始めました」という記事を見つけました。 まだ見ぬランであったので、すぐ車をとばして見に行くことにしました。 この日はHiroが仕事のため、ロンリー(一人の)花さんぽとなりました。 現地に到着し、さっそくブログの作成者を尋ねます。 その方は宿を経営されているはずでした。 もちろん面識はありません。 宿に泊まりもしないのに、いきなり尋ねて情報を教えてもらおうとは図々しいですが、最近はツラの皮も厚くなって来ているので、気にせずチャイムを押します。 しばらく待つも誰も出てきません... 結局、ご不在でした。

 

 詳細な情報をいただくことは諦め、当たりをつけてあった森に入り、独自に探索することにしました。 森は、深そうです。 初めての場所であり、一人でもあるので、靴から帽子まで、万全の体制を整えます。 どれくらい歩くことになるのかわからないので、非常食や水も十分に持ちました。 準備よし、いざ、出陣!

 

 道路脇の入口から森の小径に入ります。 わずか数歩進むと、地面に見慣れぬものがあります... 白っぽく、やや肌色がかった花... しゃがんで顔を近づけて見ると、なんとアケボノシュスランでした! そのまま周りを見渡すと、あるわあるわ、アケボノシュスランだらけです。 こんな近くで見ることができるなら、普段着のままカメラだけ持って来れば十分でした。 気合を入れていたので、思いっきり拍子抜けしました。 でも...こういう楽ちん花さんぽは、正直言って大好物です。

 

#2 アケボノシュスラン  2008.09.15 群馬県沼田市
#2 アケボノシュスラン  2008.09.15 群馬県沼田市

 

 落葉樹林の下に、足の置き場に困るほどアケボノシュスランが広がります。 花をつけている株は、全体の1/4〜1/5程度でした。 残りはこれから咲くのか、あるいは花を咲かせるのは来年なのか...?

 

#3 アケボノシュスラン  2008.09.15
#3 アケボノシュスラン  2008.09.15

 

 絶妙なグラデーションだと思います。 薄い肌色に、かす

かに紅色が混ざったような色というか。 この色を夜明けの

空の色にたとえ、アケボノの名がついたようです。

 

       春はあけぼの。
         やうやう白くなりゆく山際、少しあかりて、

                紫だちたる雲の細くたなびきたる。

 

 季節は違いますが、枕草子の一節を思い出しました。

シュスは、葉の表面の艶が繻子織の布(サテン)に似ている

ことから来たようです。 なんとも優美な名前ですね。

 

 十分開花した花は、親鳥にエサをねだる幼鳥のクチバシに

見えます。「早くごはんちょうだい!」とピヨピヨさえずる

声が聞こえて来そうです。

 

#4 アケボノシュスラン  2008.10.18 新潟県長岡市
#4 アケボノシュスラン  2008.10.18 新潟県長岡市

 

 約1ヶ月後、新潟県でも見ることができました。開花が

始まったばかり花は、まだ赤味が少ないようです。

  深く落ち着いた緑色の葉は、葉脈がアクセントになり

本当にシックで、「ラン科のベスト・ドレッサー賞」を

あげたいくらいです。

 

 

アケボノシュスラン

 

山地の主に落葉樹林内に生える多年草。茎の基部は地を這い、上部は斜上し高さ5〜10cmになる。葉は数個互生し、長さ約2~4cm、縁は波うち、葉脈が目立つ。茎頂に数個の淡紅色の花をやや偏ってつける。顎片は狭卵形で長さ約8mmで、側花弁、心弁もほぼ同長。長さ約1cmの花を横向きに開く。 背萼片と2個の側花弁は互いにくっついて花の上側を覆う。 花期は9~10月。北海道~九州に分布。

 

2011.08.07 掲載

 

 

アケボノシュスランの掲載ページ

 Dairy-Hiroダス

  2019年9月22日 とんだ災難(花後の姿)

  2017年5月27-28日 天然クーラーの下で(葉のみ)

  2017年3月25・26日 感動のフィナーレ (早春の状態)

 

 花さんぽ

  2008年10月18日 雪国植物園 p.2/2

  2008年9月15日 北関東の高原散策

 

他のシュスラン属植物

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コメント: 6 (ディスカッションは終了しました。)
  • #1

    流れ星 (火曜日, 04 10月 2011 13:50)

    昨日久しぶりに見てきました。
    登山道脇にありますので難なく見られます

    色は濃淡ありますよね
    真っ白もありましたのでそれはそれでよかったです。

    自宅からさほど遠くない場所にあるのでありがたいことです。

  • #2

    hanasanpo (土曜日, 07 7月 2012)

    流れ星さん、ごめんなさ〜い、なんと今気づきました。
    コメントを入れていただくと、お知らせメールが届くのですが、なぜか見逃してしまっていました。

    それはさておき、ご自宅から遠くない場所でこの花を見ることができるとは、羨ましい!
    真っ白の花は、もしかしてアケボノシュスランのシロバナ品でしょうか?

  • #3

    武藤忠彦 (水曜日, 03 4月 2013 15:17)

    長年地元群馬の風景、花の写真撮影を趣味としてきましたが最近は体力的にも遠出や、山行きは大変になり足元の山野草などを中心に楽しもうと思っています。HiroKenさんのHPを見つけ希少な花を含め興味深い説明や情緒ある写真は図鑑とは別の魅力を感じます。まだほんの一部しか拝見していませんが検索も利用者の立場で考えられていてこれから楽しく見させて貰います。ありがとうございます。

  • #4

    hanasanpo (水曜日, 03 4月 2013 16:43)

    武藤さん
    大変嬉しいコメントをどうもありがとうございます。なかなか感想を入れて下さる方はいないので、どのように見ていただいているのか、常日頃から気になるところでした。お一人でもこのようなコメントをいただけると、100ページ分くらい作れそうなエネルギーをいただいた気分です。
    群馬県は素晴らしい風景の場所が多く、花の種類も多く、水や食べ物もおいしくて人も良くて、大好きな県です。しょっちゅう行きますので、どこかでお会いできるかも知れませんね!

  • #5

    おぐれさん (月曜日, 04 11月 2019 23:28)

    角田山麓の林道脇で群落を見つけました。花は終わりに近づいていましたが
    ほんのりあけぼの色がまだ残っていました。11月4日

  • #6

    HiroKenのKen (火曜日, 05 11月 2019 00:00)

    コメントをありがとうございます。角田山方面は何度か行ったことがありますが、いつも春先でこの季節に訪れたことはありませんでした。11月なのに、まだアケボノシュスランが咲いているのですね。驚きました。