カヤラン

 

榧蘭 ラン科 カヤラン属

Thrixspermum japonicum

 カヤラン  2010.05.11
 カヤラン  2010.05.11

 

 常緑樹林内の樹木の枝や幹に着生する、常緑の多年草です。

本州岩手県以南と四国、九州に分布し、花期は4〜5月。

 いろいろな場所で目にするので、比較的簡単に見ることが

できる野生ランの部類に入ると思います。 しかし高所にい

ることが多く、間近ではなかなか花を見ることができません。

花期は3-5月。

 

 初めて見つけたカヤラン 2009.06.03
 初めて見つけたカヤラン 2009.06.03
 1年後の4月18日 たくさん花芽をつけていた
 1年後の4月18日 たくさん花芽をつけていた

 

 Dairy−Hiroダスにもしばしば登場したこの株が、初めて見つけたカヤランです。 高尾山山麓の遊歩道近くにいたのを偶然見つけたものです。 古い梅の木についていて、なんと腰の高さにいました。 見つけたときは本当にうれしかったのを覚えています。

 

 葉は10〜20個が左右2列に互生します。 名の由来はこの葉が樹木のカヤの葉に似ているからだそうです。確かにカヤの葉を思い起こさせる形だと思います。


 カヤランの根  2010.03.22
 カヤランの根  2010.03.22
 カヤランの花芽 2010.04.18
 カヤランの花芽 2010.04.18

 

 カヤランの根は茎の中部以下から出て、着生した木の樹皮を這います。 近づいて見るとなかなか迫力があります。 カヤランの必死さと逞しさを感じました。 花芽は、美しい緑色をしています。

 

 こんな観察に適した場所にいてくれたのに、その後何度も足を運びましたがことごとく花期を外してしまい、結局フレッシュな花を見ることができませんでした。

 この株を「カヤちゃん」と呼んで、いつかは美しい花を見ることができるだろうと毎年楽しみにしていたのですが... なんと盗まれてなくなってしまったのです。 根まできれいになくなっていたので、きっとピンセットのような道具を使って剥がして持ち去ったのでしょう。 本当に怒りを覚えました。

 

 カヤちゃんがいた場所
 カヤちゃんがいた場所
 カヤちゃんがついていた梅の木
 カヤちゃんがついていた梅の木

 

 もういなくなってしまったので、場所を公開してもよいでしょう。 左の写真ではHiroがしゃがんでカヤちゃんを撮影しています。 上に見える奇妙な建造物は、建設中の圏央道です。 2010.03.22の状態です。 これが伸びて、神山でもある高尾山の土手っ腹を貫くトンネルにつながります。 最近この界隈を訪れたことがある方なら「ああ、あの辺ね」とおわかりになるでしょうね。

 それはともかくとして、右の写真のように、今年(2012年)の3月10日に訪れた時は、カヤちゃんは跡形もなくなっていました。(持っていくなよ!!)

 

 2010.04.24 福島県 浜通り
 2010.04.24 福島県 浜通り

 

 花ママ・花パパさんご夫妻に案内していただいた福島県の

浜通りのある渓谷では、木の幹の腰から胸の高さにこんなに

たくさんついていました。 緑色をした花芽は膨らみ始めて

いましたが、開花にはまだ間があるようでした。 白っぽい

気根を長く張り巡らせています。 すぐ近くの木には、同じ

ようにヨウラクランがついていました。

 

カヤラン 2010.05.15 栃木県足利市
 2010.05.15 栃木県足利市
カヤラン 2010.05.15 栃木県足利市
  2010.05.15 栃木県足利市

 

 Hiroの実家のある栃木県足利市の山中を車で通行中、「この辺カヤちゃんがいそうな雰囲気だよね」と感じ、路肩に車を停めてみると、すぐ近くの数本の木にカヤちゃんがついていました。 我ながら勘が冴えていると思いました! カヤランは、案外身近で見ることができるランであると思いました。

 

 左は高さ10mほどのところについていました。 望遠レンズで撮影し更にトリミングしてあります。 葉の縁は少し薄いのでしょうか、逆光で見ると白っぽく見えます。

 

 右も同様な高さにいたと思います。 ついていた枝が朽ちてしまい、カヤラン自身の根だけでぶら下がっているように見えます。 それでもちゃんと花を咲かせていました。 思わず「ガンバレ!」と言いたくなりました。

 

カヤラン 2011.05.08 筑波山山麓
 2011.05.08 筑波山山麓
カヤラン 2011.05.08 筑波山山麓
 2011.05.08 筑波山山麓

カヤラン 2011.05.08 筑波山山麓
 2011.05.08 筑波山山麓
カヤラン 2011.05.08 筑波山山麓
 2011.05.08 筑波山山麓

 

 茨城県の筑波山にヤマトグサを観察に行った帰り道、山麓の神社に御神木?なのか、古い巨木がたくさんありました。 シノブちゃん(ノキシノブ)などがたくさんついているので、「カヤちゃんもいるんじゃないの〜?」と上を見ながら探っていたら、いるわいるわ、わんさかついてる! しかもベストな開花状態!

 

 しかし、高い、遠い! 少なくとも20mはあったような。 上の4枚のうち左上は一眼に70mmのレンズで撮影(トリミングなし)。 あーこれじゃお話にならないと、コンデジにテレコンレンズをつけて900mm相当で撮影したのが以後の写真。 三脚を持たなかったのでブレまくりです(お許しを)。 こんないい状態、近くで見たかったな〜 素晴らしかったろうな〜 でもハシゴ車でも持って来ない限りムリですね。

 

 カヤランの唇弁の位置は??
 カヤランの唇弁の位置は??

 

 さてカヤランの子房のねじれと唇弁の位置関係ですが、どうも子房にはねじれは無いようです。 よって、「ストレート・タイプ」。 しかし、唇弁の位置は? 上の写真では、唇弁の位置が下側・上側両方あり、判別できませんでした。 仕方なくネットで他の方の写真も参考にさせていただきましたが、下側になることが多そうですが上側も少なからずいて、どうもはっきりしない。 かといってツチアケビのように四方八方好き勝手な向きになる「唇弁位置無頓着タイプ」でもなさそうです。 これは迷います。 仕方がなく、とりあえず「ストレート・唇弁位置不明」とします。

 

2012.11.11 掲載

 

コメント: 8 (ディスカッションは終了しました。)
  • #1

    あひる (月曜日, 12 11月 2012 01:36)

    こんばんは。
    カラヤン? 今回はクラシックの話題?
    と思ったら、カヤランでした ^m^

    「ここに、カヤランがいたのに」という黄色い文字が痛々しいです(T_T)
    ぜひとも、理科の時間に、自然保護の大切さの授業を入れてほしいですね!
    可憐な白いお花。盗られなければ、もっと手の届く所にもあるかもしれませんね。

  • #2

    hanasanpo (月曜日, 12 11月 2012 08:07)

    あひるさん、お早うございま〜す!
    カヤランはカラヤンと間違えやすいですよね。特にクラシックを親しむ方はそうかも、ですね。

    野山の植物を取ってきて庭に植えたり木に付けてみたりという行為は、そろそろ考え直して欲しいのもです。どこにでもどっさりいる植物なら影響はないのでしょうが... その辺の線引が難しいですね。

  • #3

    自然の花 (月曜日, 02 5月 2016 19:29)

    我が家にカヤの木が二本並んでいる なんとカヤランが
    いっぱい咲いていて 山奥でなくこんな所に ビックリ !

  • #4

    HiroKen (月曜日, 02 5月 2016 20:58)

    カヤの木にカヤランがついているなんて、すご~い!!
    それは非常に珍しく、かつ、素晴らしい光景ですね!
    見てみたいなあ。
    お時間がありましたら、ぜひ画像掲示板にご投稿をお願いいたします。

  • #5

    自然の花 (月曜日, 02 5月 2016)

    父が庭園を35年前に作って
    ちっと離れた所に二本カヤの木があるがそれは、花は、咲いていません。
    咲いているカヤは、足元から沢山花が咲き木の上の方まであります。何年前から咲いていたかもしれません。

  • #6

    自然の花 (月曜日, 02 5月 2016 21:56)

    後で画像送ります。

  • #7

    HiroKen (火曜日, 03 5月 2016 09:35)

    カヤランは普通木の高いところにつくのに、足元から上の方まで咲いているなんて、
    スゴ〜イ! 画像お待ちしてます。

  • #8

    HiroKen (水曜日, 04 5月 2016 10:44)

    自然の花さん、画像掲示板にご投稿をありがとうございました。
    カヤの木に着生したカヤラン、本当に奇跡のカヤランですね!

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