イワレンゲ - 野山に自然に咲く花のページ

 

イワレンゲ

 

岩蓮華 ベンケイソウ科 イワレンゲ属

Orostachys iwarenge

日本固有種 絶滅危惧Ⅱ類(VU)

イワレンゲ (岩蓮華) ベンケイソウ科 イワレンゲ属  2010.12.04 茨城県
イワレンゲ (岩蓮華) ベンケイソウ科 イワレンゲ属  2010.12.04 茨城県

 

 イワレンゲを見るため茨城県を訪れました。 初めて訪れる海岸沿いの町で、自生の北限とされている場所です。 崖の岩の上に、数株が花茎を出していました。 少し遠くて下から見上げる形なので詳細は見えませんが、おそらく花は終っているのだと思います。 花茎を出していない若い株は、30〜40株ほど見えました(正確に数えていませんが)。 ただし生育している範囲はとても狭く、ざっと1平方メートル位でしょうか。

 望遠レンズでの撮影でした。 背景がとてもうるさい写真しか撮れず、やむを得ず上の写真は背景をぼかす加工を施しました。

 

 

 こんな場所にいました。 日がよく当たる場所です。 岩はこの部分で4〜5mの高さです。縦に黒っぽく帯状に見える部分は、湧き水がしたたり落ちています。 この湧き水で濡れている上部の、他の植物が生い茂っている部分との境界部あたりに固まっていました。 その後ろは小さな丘ですが、周りの崖を巡ってみると、あちこちにしたたるように湧き水が湧いています。しかしイワレンゲがいたのは、ここ以外には、あと2箇所に1株づつだけでした。

 

 

 岩の上に生えるので乾燥には強い方なのかも知れませんが、

湧き水のある部分に集まっていたということは、やはり雨水

だけでは足りず、ある程度湿った場所でないと生きていけな

いのでしょう。

 

 

 この株は湧き水がない場所に一人でいました。 多年草ですが、一度花を咲かせると枯れる一念性植物でもあります(一年性、ではありません)。 この株は花を咲かせたので枯れる運命ですが、下部の葉の枯れ方が湧き水の所に咲いていた株より進んでいるように見えました。 またこの株のみ、花茎の根元付近から別の小さな花茎のように見えるものを、ちょこんと出していました。 コモチレンゲの走出枝に似たものでしょうか? あるいは匐枝なのか。 わかりません。

 

 

 まだ花茎を出せない若い株の葉です。 厚みがあり、

いかにも多肉植物の様相です。 葉が重なりあい、

ハスの花に似ているので、この名がついたようです。

 

 

イワレンゲ

 

関東地方以西の本州、四国、九州に分布。 岩上、断崖、石垣、屋根の上などに生える多年草だが、花を咲かせるとその株は枯れる一念性植物。 葉は粉白を帯びた緑色、長さ4〜6cmの長楕円形へら形。 花は白色で花弁の先はあまりとがらない。

 

2010.12.05 掲載

 

コメント: 2 (ディスカッションは終了しました。)
  • #1

    かのん (日曜日, 05 12月 2010 22:06)

    随分難しいところに生育しているのですね。
    撮影お疲れ様でした。

    以前長野の河川敷で見た事がありますが、岩場に限らないのでしょうか。

    ほんとに若い株は多肉植物にソックリで、サボテン科でも通りそうですね^^




  • #2

    hanasanpo (月曜日, 06 12月 2010 21:42)

    かのんさん、こんばんは。

    撮影そのものは大変ではなかったのですが、近づけなかったので花の詳細が見れなかったのが少し残念でした。
    長野の河川敷にもいたのですか? いつか情報をいただけるとありがたいです。

    ぷっくりしたイワレンゲの葉、手が届けば触ってみたかったです。

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